ウエルシュ菌による食中毒事件発生
神奈川県藤沢市は11月2日、市内の高齢者施設で食中毒が発生したことを発表した。10月29日に施設が調理提供した昼食を原因とするもので、ウエルシュ菌による食中毒事例とみられている。
食中毒が発生したのは、藤沢市大庭の「聖隷藤沢ウェルフェアタウン 藤沢エデンの園」で、社会福祉法人聖隷福祉事業団が運営を手がけている。
藤沢市の発表によると、10月30日に当該高齢者施設から、10月29日の15時頃より入居者に下痢などの症状を呈する者が現れ、その後、100人近くの体調不良者が発生していると藤沢市保健所に連絡があったという。
これを受け、藤沢市保健所が詳細調査を進めたところ、入居者らに下痢や腹痛などの症状が出ていることが明らかとなった。
同保健所によると、患者の共通食はこの施設で調理提供された食事のみであり、複数の患者の便から食中毒の病因物質であるウエルシュ菌が検出されたこと、患者の症状や発症までの潜伏期間特徴がウエルシュ菌によるものと一致していること、患者数の推移が時間を横軸に描いたグラフとして一峰性をなしていること、そして医師からも食中毒患者等届出票が提出されたことなどから、施設の食事を原因とするウエルシュ菌食中毒と断定したとされている。
食中毒が発生したのは、藤沢市大庭の「聖隷藤沢ウェルフェアタウン 藤沢エデンの園」で、社会福祉法人聖隷福祉事業団が運営を手がけている。
藤沢市の発表によると、10月30日に当該高齢者施設から、10月29日の15時頃より入居者に下痢などの症状を呈する者が現れ、その後、100人近くの体調不良者が発生していると藤沢市保健所に連絡があったという。
これを受け、藤沢市保健所が詳細調査を進めたところ、入居者らに下痢や腹痛などの症状が出ていることが明らかとなった。
同保健所によると、患者の共通食はこの施設で調理提供された食事のみであり、複数の患者の便から食中毒の病因物質であるウエルシュ菌が検出されたこと、患者の症状や発症までの潜伏期間特徴がウエルシュ菌によるものと一致していること、患者数の推移が時間を横軸に描いたグラフとして一峰性をなしていること、そして医師からも食中毒患者等届出票が提出されたことなどから、施設の食事を原因とするウエルシュ菌食中毒と断定したとされている。
作りおきにはとくに注意を
原因となる食事をとったのは、調査中だが判明しているだけで258人、そのうち患者は122人(調査中)となっている。入院に至った者はなく、主な症状は下痢や腹痛などとされる。
原因となった10月29日の昼食メニューは、「海老と帆立のちらし寿司、ソースかつ丼、かぼちゃのいとこ煮、ほうれん草のお浸し、味噌汁、乳製品など」であった。
市はこの結果を受け、食事を提供した調理施設を11月2日から営業停止処分とした。なお、すでに同施設は10月30日の昼食から営業を自粛している。
ウエルシュ菌は人や動物の腸管内、土壌、水中など、広く自然界に分布する嫌気性の菌。熱に強い芽胞の形になると、高温でも死滅せず生き残るため、加熱しても防ぐことができない。
食品を大釜で大量に加熱調理した場合、他の細菌が死滅しても、ウエルシュ菌の耐熱性芽胞が残ることがある。その後、室温に放置するなどすると、食品中心部が酸素のない状態でゆっくり温度が下がっていくため、嫌気性のウエルシュ菌にとって好ましい環境が揃い、発育に適した温度まで低下した時点で発芽、急速に増殖を始める。
食品中で大量に増殖したウエルシュ菌をそのまま摂取し、胃を通過、小腸内で増殖し、菌が芽胞型に移行すると、その際にエンテロトキシンが産生され、この毒素の作用で症状が発生する。
潜伏期間は6~18時間で、通常12時間位内に発症し、腹痛や下痢などが主症状となる。大量調理した煮物類、その煮物を用いた弁当類、前日にまとめて調理したカレーやシチュー、スープ、めんつゆなどが原因になることが多い。
予防するには、前日調理やその室温放置は避け、加熱調理したものはなるべく早く喫食するようにすること、やむを得ず一度に大量の食品を加熱調理した場合には、小分けするなど工夫して急速に冷却、ウエルシュ菌の発育しやすい温度帯に長く保持されることがないようにすることがポイントとなる。
(画像はPixabayより)
原因となった10月29日の昼食メニューは、「海老と帆立のちらし寿司、ソースかつ丼、かぼちゃのいとこ煮、ほうれん草のお浸し、味噌汁、乳製品など」であった。
市はこの結果を受け、食事を提供した調理施設を11月2日から営業停止処分とした。なお、すでに同施設は10月30日の昼食から営業を自粛している。
ウエルシュ菌は人や動物の腸管内、土壌、水中など、広く自然界に分布する嫌気性の菌。熱に強い芽胞の形になると、高温でも死滅せず生き残るため、加熱しても防ぐことができない。
食品を大釜で大量に加熱調理した場合、他の細菌が死滅しても、ウエルシュ菌の耐熱性芽胞が残ることがある。その後、室温に放置するなどすると、食品中心部が酸素のない状態でゆっくり温度が下がっていくため、嫌気性のウエルシュ菌にとって好ましい環境が揃い、発育に適した温度まで低下した時点で発芽、急速に増殖を始める。
食品中で大量に増殖したウエルシュ菌をそのまま摂取し、胃を通過、小腸内で増殖し、菌が芽胞型に移行すると、その際にエンテロトキシンが産生され、この毒素の作用で症状が発生する。
潜伏期間は6~18時間で、通常12時間位内に発症し、腹痛や下痢などが主症状となる。大量調理した煮物類、その煮物を用いた弁当類、前日にまとめて調理したカレーやシチュー、スープ、めんつゆなどが原因になることが多い。
予防するには、前日調理やその室温放置は避け、加熱調理したものはなるべく早く喫食するようにすること、やむを得ず一度に大量の食品を加熱調理した場合には、小分けするなど工夫して急速に冷却、ウエルシュ菌の発育しやすい温度帯に長く保持されることがないようにすることがポイントとなる。
(画像はPixabayより)