日本医師会、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会は9日、全国知事会とオンライン会議を開催し、「社会経済情勢を適切に反映した診療報酬改定」などについて意見交換を行った。
全国知事会で社会保障常任委員会委員長を務める内堀雅雄・福島県知事は、社会保障費を高齢化の伸びの範囲内に抑制する目安対応から転換し、物価・賃金の伸びを加算することを盛り込んだ骨太方針2025について、「医療界や知事会の声を受け踏み込んだ内容になったが、施策の具体化が重要」だと述べた。
全国知事会で社会保障常任委員会委員長を務める内堀雅雄・福島県知事は、社会保障費を高齢化の伸びの範囲内に抑制する目安対応から転換し、物価・賃金の伸びを加算することを盛り込んだ骨太方針2025について、「医療界や知事会の声を受け踏み込んだ内容になったが、施策の具体化が重要」だと述べた。
また、「地域の医療崩壊を絶対に防ぐ」との決意を表明し、7月22日-24日に青森市で開催される全国知事会議で40年を見据えた医療・介護提供体制の構築に向けた提言を取りまとめ、7月下旬には厚労省に要望を行うとした。
全国知事会会長の村井嘉浩・宮城県知事は、「医療体制の危機は地域の危機と考えている。行政と医療団体で連携し、制度改革に全力で取り組む」と言及した。
日医の松本吉郎会長は、「賃金・物価上昇を反映した報酬改定に向け、知事会と一致団結して訴えていきたい」と述べた。江澤和彦常任理事は医業利益で見て、赤字病院の割合が69%まで増加していることなど、医療機関の苦しい経営状況を説明。賃金・物価の上昇に応じた公定価格への反映や、消費税などの税収増の活用を訴えた。
日病の相澤孝夫会長は、入院基本料が栄養管理実施などの加算や消費税分、賃上げ対応分を除き19年間ほぼ据え置きになっている点を指摘。「入院医療の進歩や、質向上に関わる諸費用の増加を補うことすらできない」と訴えた。
全日病の神野正博会長は、「診療報酬の物価・賃金にスライドした値上げだけでなく、それらの動きの将来予見性を持った決定プロセスの構築が重要だ」とした。また、医師偏在対策に活用される地域医療介護総合確保基金の負担を国が100%行うべきと訴えた。
医法協の太田圭洋副会長は、「次回の報酬改定は10%超の改定率が必要」と主張。病院の費用構成割合を、▽人件費57.2%▽医薬品費9.5%-のほかにも分類。20-24年までのコストの増加について、人件費は医療関係職種に限定すると6.88%上昇し、医薬品費は変動せず、そのほかは消費者物価指数が20年を100として111.1まで上昇したと試算した。その結果、この期間の病院の医療提供コストの上昇に対して、薬価・診療材料以外の本体で補填すべき割合は7.10%が必要だった解説。
これに対し診療報酬本体改定率は20年に0.55%、22年に0.43%、24年は0.88%で、この3つを乗じると1.87%分しか上がらなかった。7.10%から1.87%を差し引いた5.23%は、コスト増に対して明らかな補填不足だと太田氏は指摘した。その上で、「(改定率)10%超は雲の上のような数字に感じるかもしれないが、インフレ局面では当然そういう考えにもなる」と述べた。
全国知事会会長の村井嘉浩・宮城県知事は、「医療体制の危機は地域の危機と考えている。行政と医療団体で連携し、制度改革に全力で取り組む」と言及した。
日医の松本吉郎会長は、「賃金・物価上昇を反映した報酬改定に向け、知事会と一致団結して訴えていきたい」と述べた。江澤和彦常任理事は医業利益で見て、赤字病院の割合が69%まで増加していることなど、医療機関の苦しい経営状況を説明。賃金・物価の上昇に応じた公定価格への反映や、消費税などの税収増の活用を訴えた。
日病の相澤孝夫会長は、入院基本料が栄養管理実施などの加算や消費税分、賃上げ対応分を除き19年間ほぼ据え置きになっている点を指摘。「入院医療の進歩や、質向上に関わる諸費用の増加を補うことすらできない」と訴えた。
全日病の神野正博会長は、「診療報酬の物価・賃金にスライドした値上げだけでなく、それらの動きの将来予見性を持った決定プロセスの構築が重要だ」とした。また、医師偏在対策に活用される地域医療介護総合確保基金の負担を国が100%行うべきと訴えた。
医法協の太田圭洋副会長は、「次回の報酬改定は10%超の改定率が必要」と主張。病院の費用構成割合を、▽人件費57.2%▽医薬品費9.5%-のほかにも分類。20-24年までのコストの増加について、人件費は医療関係職種に限定すると6.88%上昇し、医薬品費は変動せず、そのほかは消費者物価指数が20年を100として111.1まで上昇したと試算した。その結果、この期間の病院の医療提供コストの上昇に対して、薬価・診療材料以外の本体で補填すべき割合は7.10%が必要だった解説。
これに対し診療報酬本体改定率は20年に0.55%、22年に0.43%、24年は0.88%で、この3つを乗じると1.87%分しか上がらなかった。7.10%から1.87%を差し引いた5.23%は、コスト増に対して明らかな補填不足だと太田氏は指摘した。その上で、「(改定率)10%超は雲の上のような数字に感じるかもしれないが、インフレ局面では当然そういう考えにもなる」と述べた。