ウエルシュ菌による集団食中毒発生
東京都は23日、足立区内の通所介護事業所において、ウエルシュ菌による集団食中毒事例が発生したことを明らかにした。利用者ら17人が下痢などの症状を訴えたという。
東京都の発表によると、7月14日の18:27頃、足立区内の通所介護事業所職員から、7月11日昼に調理した牛丼などを施設利用者及び職員らで喫食したところ、そのうち19人が7月11日夜から13日にかけて下痢、腹痛などの症状を呈している旨、東京都保健医療情報センターを通じ、足立区足立保健所に連絡があったという。
この連絡を受け、足立保健所が食中毒調査を開始。患者は該当する通所介護事業所を利用した14人と職員3人の合計17人で、この患者らは7月11日の昼食にイベント食として提供された牛丼などを喫食していた。
牛丼は、提供前日に職員が施設内キッチンで調理した牛丼の具と、当日炊飯した白飯を盛り付けて提供されていたものだったという。検査の結果、患者8人の糞便及び牛丼の具の残品、施設の拭き取り3検体からウエルシュ菌が検出された。
施設内で他に感染症などを疑う情報がないことも確認され、患者の症状及び潜伏期間はウエルシュ菌によるものと一致していたこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことなどから保健所は今回の事例を通所介護事業所が11日に調理し提供した牛丼を原因とするウエルシュ菌食中毒と断定した。
東京都の発表によると、7月14日の18:27頃、足立区内の通所介護事業所職員から、7月11日昼に調理した牛丼などを施設利用者及び職員らで喫食したところ、そのうち19人が7月11日夜から13日にかけて下痢、腹痛などの症状を呈している旨、東京都保健医療情報センターを通じ、足立区足立保健所に連絡があったという。
この連絡を受け、足立保健所が食中毒調査を開始。患者は該当する通所介護事業所を利用した14人と職員3人の合計17人で、この患者らは7月11日の昼食にイベント食として提供された牛丼などを喫食していた。
牛丼は、提供前日に職員が施設内キッチンで調理した牛丼の具と、当日炊飯した白飯を盛り付けて提供されていたものだったという。検査の結果、患者8人の糞便及び牛丼の具の残品、施設の拭き取り3検体からウエルシュ菌が検出された。
施設内で他に感染症などを疑う情報がないことも確認され、患者の症状及び潜伏期間はウエルシュ菌によるものと一致していたこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことなどから保健所は今回の事例を通所介護事業所が11日に調理し提供した牛丼を原因とするウエルシュ菌食中毒と断定した。
患者1人が入院、大量調理に注意
患者の内訳は、男性6人(22~89歳)、女性11人(28~95歳)で、うち1人が入院中であるという。医療機関を受診したのは患者4人だった。
食中毒の原因となった昼食で提供されていた主なメニューは、牛丼、みそ汁、漬物。牛丼の具の残品から菌が検出されたこともあり、原因食品は牛丼とみられている。
足立保健所はこの通所介護事業所に対し、再発防止のため厳重注意指導を行っている。
食中毒の原因となった昼食で提供されていた主なメニューは、牛丼、みそ汁、漬物。牛丼の具の残品から菌が検出されたこともあり、原因食品は牛丼とみられている。
足立保健所はこの通所介護事業所に対し、再発防止のため厳重注意指導を行っている。
ウエルシュ菌は、人や動物の腸管、土壌、水中など自然界に広く分布する嫌気性菌。家畜などの糞便や魚からも検出され、食品ではとくに食肉に多い。熱に強い芽胞を作る性質があり、高温でも死滅せずに生き残る。よって食品を大釜などで大量に加熱調理した場合、他の細菌が死滅しても、ウエルシュ菌の耐熱性の芽胞は生き残る。
この時、食品中心部は酸素のない状態になり、嫌気性菌のウエルシュ菌にとって好ましい条件が揃うため、食品温度が発育に適した43~45度程度になると、急速に増殖を始める。食品中で大量に増殖したウエルシュ菌が食べ物とともに胃を通過し、小腸内で増殖、菌が芽胞型に移行する際にエンテロトキシンと呼ばれる毒素が産生され、その作用によって下痢などの症状が発生する。
肉類や魚介類、野菜を用いた煮込み料理が原因食品となりやすく、飲食店や仕出し屋、学校、各種施設など集団給食施設による調理事例で発生が多い。とくにカレーやシチュー、スープ、麺つゆなど食べる日の前日に大量に加熱調理され、大きな器のまま室温放冷されていたケースなどが目立つ。
潜伏期間は約6~18時間、下痢や腹痛が主な症状で、発熱や嘔吐はほとんどみられない。多くの場合は発症後1~2日で軽快するが、基礎疾患のある患者や子ども、高齢者ではまれに重症化するため注意が必要となる。
予防には、前日調理を避け、加熱調理したものはなるべく早く喫食するようにすること、一度に大量の食品を加熱調理した場合にはウエルシュ菌の発育しやすい温度帯を長く保たないよう注意し、やむを得ず保管する際は、小分けして急激に冷却するなど工夫することなどが有効とされる。
(画像はプレスリリースより)
この時、食品中心部は酸素のない状態になり、嫌気性菌のウエルシュ菌にとって好ましい条件が揃うため、食品温度が発育に適した43~45度程度になると、急速に増殖を始める。食品中で大量に増殖したウエルシュ菌が食べ物とともに胃を通過し、小腸内で増殖、菌が芽胞型に移行する際にエンテロトキシンと呼ばれる毒素が産生され、その作用によって下痢などの症状が発生する。
肉類や魚介類、野菜を用いた煮込み料理が原因食品となりやすく、飲食店や仕出し屋、学校、各種施設など集団給食施設による調理事例で発生が多い。とくにカレーやシチュー、スープ、麺つゆなど食べる日の前日に大量に加熱調理され、大きな器のまま室温放冷されていたケースなどが目立つ。
潜伏期間は約6~18時間、下痢や腹痛が主な症状で、発熱や嘔吐はほとんどみられない。多くの場合は発症後1~2日で軽快するが、基礎疾患のある患者や子ども、高齢者ではまれに重症化するため注意が必要となる。
予防には、前日調理を避け、加熱調理したものはなるべく早く喫食するようにすること、一度に大量の食品を加熱調理した場合にはウエルシュ菌の発育しやすい温度帯を長く保たないよう注意し、やむを得ず保管する際は、小分けして急激に冷却するなど工夫することなどが有効とされる。
(画像はプレスリリースより)