専門分科会での議論で言及
厚生労働省は11月6日、「第230回社会保障審議会介護給付費分科会」を開き、訪問介護や居宅療養管理指導などについて、2024年度介護報酬改定での取り扱いをどうするか議論し、その主な方向性を示した。
この中では薬局に勤務する管理栄養士による居宅療養管理指導の評価についても議論がなされたが、こちらは次期改定では見送る方針となった。
薬局勤務の管理栄養士による居宅療養管理指導の実施に関しては、令和3年度地方分権で要望され、在宅の要介護者に対し適切な栄養管理を行い、自立支援や重度化防止を推進することが検討されてきた。令和5年度中には結論を得る予定となっており、動向が注目されている。
一方、栄養サービスにかかる提供の質を担保する上で、日頃から診療録やチームカンファレンスなどに基づき、栄養管理を行っている医療機関などの管理栄養士が居宅療養管理指導に関われるよう促すことの方が重要との意見も出ている。
この中では薬局に勤務する管理栄養士による居宅療養管理指導の評価についても議論がなされたが、こちらは次期改定では見送る方針となった。
薬局勤務の管理栄養士による居宅療養管理指導の実施に関しては、令和3年度地方分権で要望され、在宅の要介護者に対し適切な栄養管理を行い、自立支援や重度化防止を推進することが検討されてきた。令和5年度中には結論を得る予定となっており、動向が注目されている。
一方、栄養サービスにかかる提供の質を担保する上で、日頃から診療録やチームカンファレンスなどに基づき、栄養管理を行っている医療機関などの管理栄養士が居宅療養管理指導に関われるよう促すことの方が重要との意見も出ている。
知識・技能や資格保有面で課題、見送りに
公開資料によると、令和4年度の老健事業において実施された「管理栄養士による居宅療養管理指導に関する調査研究事業」では、薬局に勤務する管理栄養士の場合、研修受講回数や保有する学会認定などの資格が少ないこと、栄養管理に関する業務以外に接客業務などで多くの時間を割いている実態が明らかとなった。
業務と業務時間に占める割合では、「接客・品出しなどの店舗業務」が37.0%と圧倒的に多く、また栄養食事指導に関し「定期的に研修を受けている」人は全体の38.7%にとどまっている。
在宅栄養専門管理栄養士の資格保有者は全体の8.1%、糖尿病療養指導士の資格を保有する人は全体の7.4%で、こちらをみても、いずれも低い水準にある。
参考として示された病院勤務の管理栄養士における学会認定資格の保有者割合は、がん病態栄養専門管理栄養士が41.5%、糖尿病態栄養専門管理栄養士が32.1%、在宅栄養専門管理栄養士が13.1%など、全体に高い。
在宅栄養専門管理栄養士の資格保有者は全体の8.1%、糖尿病療養指導士の資格を保有する人は全体の7.4%で、こちらをみても、いずれも低い水準にある。
参考として示された病院勤務の管理栄養士における学会認定資格の保有者割合は、がん病態栄養専門管理栄養士が41.5%、糖尿病態栄養専門管理栄養士が32.1%、在宅栄養専門管理栄養士が13.1%など、全体に高い。
薬局などに勤務する管理栄養士・栄養士ら自身からも、課題と考えることの自由回答で、「管理栄養士業務に専念できない」、「栄養士業務の時間が無い」、「他業務との両立」、「医療事務業務がメイン」といった声が寄せられている。
よって分科会事務局はこれらの結果から、対応案として、薬局勤務の管理栄養士による居宅療養管理指導の実施については、今回の介護報酬改定では評価見送りとし、現行の基準を維持してはどうかとの結論に達した。
なお、すでに実施されている管理栄養士の居宅療養管理指導に関して、現在は月2回までの算定とされているが、在宅要支援・要介護者では低栄養及び低栄養の恐れのある人の割合が高いという報告や、入院・入所中に栄養状態を良くしても、再び栄養障害になる事例も少なくなく、より適切な栄養管理に向けた環境整備が必要とされていることが論点となった。
さらに終末期では、療養者と介護者のニーズに応じ、一層きめ細やかな食支援が求められることも挙げられている。
これらから、対応案として、管理栄養士による居宅療養管理指導の対象となった利用者のうち、一時的に頻回な介入が必要と医師が判断した利用者には、期間を設定した上で上限回数を緩和するといった措置対応を検討してはどうかとの方向性でまとめられるものとなった。
(画像はプレスリリースより)
よって分科会事務局はこれらの結果から、対応案として、薬局勤務の管理栄養士による居宅療養管理指導の実施については、今回の介護報酬改定では評価見送りとし、現行の基準を維持してはどうかとの結論に達した。
なお、すでに実施されている管理栄養士の居宅療養管理指導に関して、現在は月2回までの算定とされているが、在宅要支援・要介護者では低栄養及び低栄養の恐れのある人の割合が高いという報告や、入院・入所中に栄養状態を良くしても、再び栄養障害になる事例も少なくなく、より適切な栄養管理に向けた環境整備が必要とされていることが論点となった。
さらに終末期では、療養者と介護者のニーズに応じ、一層きめ細やかな食支援が求められることも挙げられている。
これらから、対応案として、管理栄養士による居宅療養管理指導の対象となった利用者のうち、一時的に頻回な介入が必要と医師が判断した利用者には、期間を設定した上で上限回数を緩和するといった措置対応を検討してはどうかとの方向性でまとめられるものとなった。
(画像はプレスリリースより)