異なる糖が特定の腸内細菌に作用
慶應義塾大学の研究グループは、腸内細菌の栄養源となる2つの糖が特定の腸内細菌に協調的に作用することにより、高脂肪食誘導性の肥満を抑制することを発見し、2022年7月20日、公式ホームページにて公開した。
同研究は慶應義塾大学大学院薬学研究科修士課程の冨岡佐和子、慶應義塾大学薬学部の関夏実特任助教、金倫基教授を中心とする研究グループによるもので、研究成果は7月19日、国際学術誌『Cell Reports』(電子版)に掲載された。
同研究は慶應義塾大学大学院薬学研究科修士課程の冨岡佐和子、慶應義塾大学薬学部の関夏実特任助教、金倫基教授を中心とする研究グループによるもので、研究成果は7月19日、国際学術誌『Cell Reports』(電子版)に掲載された。
新規プレバイオティクス開発に期待
この研究は、体内へ取り込まれずに腸内細菌の栄養源となる難消化性・難吸収性の糖類である腸内細菌利用糖として多様な性質を持つ各MACsの特性について、複数のMACsが腸内環境改善に協調的・相乗的な作用を発揮し得ること、各MACが腸内細菌(環境)に異なる影響を及ぼすこと明らかにした。
トウモロコシや米・小麦などの穀物の繊維質に含まれるL-アラビノースはスクロース(ショ糖)の消化に関わるスクラーゼという酵素の活性を阻害する。
研究ではこの2つを同時に摂取し、有益な腸内細菌代謝物として知られている短鎖脂肪酸である酢酸・プロピオン酸の産生を相乗的に促進させ、高脂肪食誘導性の肥満を抑制することが明らかになった。
スクロース単体では肥満のリスクを高めるが、スクロースを多く含む食品とともにL-アラビノースを摂取することで、スクロースの消化・吸収が抑えられ、協調作用により腸内環境が改善され肥満を抑制できる可能性を示したのだ。
今後は個人に応じて腸内細菌利用糖を組み合わせた新規プレバイオティクス開発が期待される。
(画像はプレスリリースより)
トウモロコシや米・小麦などの穀物の繊維質に含まれるL-アラビノースはスクロース(ショ糖)の消化に関わるスクラーゼという酵素の活性を阻害する。
研究ではこの2つを同時に摂取し、有益な腸内細菌代謝物として知られている短鎖脂肪酸である酢酸・プロピオン酸の産生を相乗的に促進させ、高脂肪食誘導性の肥満を抑制することが明らかになった。
スクロース単体では肥満のリスクを高めるが、スクロースを多く含む食品とともにL-アラビノースを摂取することで、スクロースの消化・吸収が抑えられ、協調作用により腸内環境が改善され肥満を抑制できる可能性を示したのだ。
今後は個人に応じて腸内細菌利用糖を組み合わせた新規プレバイオティクス開発が期待される。
(画像はプレスリリースより)