1.緩和ケアとは?
「緩和ケア」とは主にがんなどの患者様とそのご家族に対して、身体的症状の緩和や精神心理的な問題などへの援助を行うことです。
身体や心へのケアは終末期だけに必要なことではありません。病気を診断されたときから行い、治療とともに継続してケアしていく必要があります。
身体や心へのケアは終末期だけに必要なことではありません。病気を診断されたときから行い、治療とともに継続してケアしていく必要があります。
ホスピスとの違い
ホスピスは終末期に穏やかに過ごす療養の場のことです。一方、緩和ケアとは終末期だけでなく、病気を診断されたときから提供する医療ケアのことを指します。
しかし、明確な線引きはなく二つを合わせて「ホスピス緩和ケア」として扱われることもあります。あえて線引きして考えるのならば「ホスピス=療養の場」「緩和ケア=医療の場」として捉えておきましょう。
しかし、明確な線引きはなく二つを合わせて「ホスピス緩和ケア」として扱われることもあります。あえて線引きして考えるのならば「ホスピス=療養の場」「緩和ケア=医療の場」として捉えておきましょう。
2.緩和ケアチームとは?
緩和ケアチームとは「緩和ケアを専門としたチーム」のことです。詳しい内容についてご紹介します。
チームの目的
治療や完治が難しい病気と直面した患者様とご家族に対して、専門職の力を用いてQOLを改善することです。
病気による痛みや体の不調をケアするだけでなく、精神面のケアも行います。
病気による痛みや体の不調をケアするだけでなく、精神面のケアも行います。
活動内容
緩和ケアチームの活動は主治医からの依頼によりスタートします。チームで定期的に患者様のベッドサイドへ伺い、主治医や担当看護師とチームで相談しながらケアを行うことがメインの活動です。
カンファレンスと回診を行いながら患者様に適したケアを続けていきます。緩和ケアは必要に応じて行われるため、病気の時期や進行具合は関係ありません。
それぞれの患者様にとって緩和ケアが必要なタイミングや行うケアの内容が異なるため、チームで最善策を見つけていく必要があります。
カンファレンスと回診を行いながら患者様に適したケアを続けていきます。緩和ケアは必要に応じて行われるため、病気の時期や進行具合は関係ありません。
それぞれの患者様にとって緩和ケアが必要なタイミングや行うケアの内容が異なるため、チームで最善策を見つけていく必要があります。
チームを構成する職種
緩和ケアチームは以下のメンバーで構成されています。
医師
看護師
薬剤師
医療ソーシャルワーカー
理学療法士
作業療法士
管理栄養士・栄養士 など
看護師
薬剤師
医療ソーシャルワーカー
理学療法士
作業療法士
管理栄養士・栄養士 など
病院により緩和ケアチームの構成は異なりますが、さまざまな職種が集まり、チームとして活動します。
3.緩和ケアチームにおける管理栄養士が求められる理由
緩和ケアが必要な患者様は、食事摂取や栄養摂取が困難になることが問題の一つです。栄養状態が悪くなると治療そのものにも悪影響なため、管理栄養士の栄養管理やケアが必要になります。
食事が摂れなくなる理由は患者様によりさまざまです。精神的な食欲不振、味覚障害、嚥下機能低下など、一人ひとりの原因に対応したケアは管理栄養士だからこそできる緩和ケアチームでの仕事です。
食事が摂れなくなる理由は患者様によりさまざまです。精神的な食欲不振、味覚障害、嚥下機能低下など、一人ひとりの原因に対応したケアは管理栄養士だからこそできる緩和ケアチームでの仕事です。
4.管理栄養士ができる「緩和ケア」の食事対応とは?
緩和ケアでは患者様の症状や精神状態に合わせた食事対応が求められます。以下のような工夫をして少しでもおいしく、楽しく食事を食べられるようにしましょう。
①患者様の嗜好に合わせる
・患者様の求める献立
患者様が希望する食事を提供します。嗜好に合わせた献立づくりがポイントです。
・食べられる、食べたいタイミングでの食事提供
病院での決められた時間に食事をすることが難しい場合も少なくありません。すぐに提供できるものを用意しておき、対応できるようにします。
患者様が希望する食事を提供します。嗜好に合わせた献立づくりがポイントです。
・食べられる、食べたいタイミングでの食事提供
病院での決められた時間に食事をすることが難しい場合も少なくありません。すぐに提供できるものを用意しておき、対応できるようにします。
②患者様の容態に合わせる
・食事量の調整
食べられない状態のときに、たくさん盛られた食事をみると余計に辛くなることは珍しくありません。「完食できた」と、精神的な満足感を得るために食事全体の量を1/2や1/3にするなど工夫します。
・食形態の対応
特に嚥下機能の低下した患者様に対して、ペースト食やゼリー食を提供します。食形態をダウンすると見た目が悪くなるため、盛り付け時の気配りが必要です。
・個々に対応する味付け
味覚障害により味がわからなくなる患者様も多いため、一人ひとりに合わせた味付けをします。
・かみ出し食
かみ出し食とは消化管狭窄の症状があり、少量の水分摂取が可能な患者様へ向けた食事です。かんで吐き出し、味や食感を楽しみます。固形のまま飲み込まないように注意が必要です。
食べられない状態のときに、たくさん盛られた食事をみると余計に辛くなることは珍しくありません。「完食できた」と、精神的な満足感を得るために食事全体の量を1/2や1/3にするなど工夫します。
・食形態の対応
特に嚥下機能の低下した患者様に対して、ペースト食やゼリー食を提供します。食形態をダウンすると見た目が悪くなるため、盛り付け時の気配りが必要です。
・個々に対応する味付け
味覚障害により味がわからなくなる患者様も多いため、一人ひとりに合わせた味付けをします。
・かみ出し食
かみ出し食とは消化管狭窄の症状があり、少量の水分摂取が可能な患者様へ向けた食事です。かんで吐き出し、味や食感を楽しみます。固形のまま飲み込まないように注意が必要です。
③患者様に楽しんでもらう
・シャーベットやゼリーなどの提供
口を潤すためのシャーベットや、食事以外の楽しみであるおやつを提供します。季節にあったおやつや、家族と共有できるおやつを提供することで楽しむ目的もあります。
・行事食
季節や行事に合わせた食事を提供します。お正月のお節、ひな祭り、夏祭りなどに提供し、見た目も楽しめる食事が大切です。
他にも、エイチエのQ&Aでいくつか緩和ケアに関する質問がありますので、参考にしてみてくださいね。
口を潤すためのシャーベットや、食事以外の楽しみであるおやつを提供します。季節にあったおやつや、家族と共有できるおやつを提供することで楽しむ目的もあります。
・行事食
季節や行事に合わせた食事を提供します。お正月のお節、ひな祭り、夏祭りなどに提供し、見た目も楽しめる食事が大切です。
他にも、エイチエのQ&Aでいくつか緩和ケアに関する質問がありますので、参考にしてみてくださいね。
また、緩和ケアチームの管理栄養士としてより専門的な知識を身につけるためには、認定資格の取得や学会で学ぶ方法があります。
・「病態栄養認定管理栄養士」や「がん病態栄養専門管理栄養士」の認定資格によるスキルアップ
・「日本緩和医療学会」「日本死の臨床研究会」といった緩和ケアに関する学会に参加(知識や情報の習得)など
・「日本緩和医療学会」「日本死の臨床研究会」といった緩和ケアに関する学会に参加(知識や情報の習得)など
緩和ケアチームの栄養管理や食事提供に関するスペシャリストとして、学びを続けていきましょう。
5.まとめ
病気と直面し苦しい中でも「食事」を通じて生きる喜びを感じられます。緩和ケアチームの管理栄養士は食事や栄養面のケアのためにチームにいなくてはならない存在です。
緩和ケアの学会や認定資格もありますので、最期まで患者様に寄り添った栄養管理をしたい方は、緩和ケアの勉強をしてみてはいかがでしょうか。
本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンク』では、緩和ケアに携われる職場のご紹介が可能です。転職先をお探しの方は、栄養士人材バンクまでお気軽ご相談くださいね。
緩和ケアの学会や認定資格もありますので、最期まで患者様に寄り添った栄養管理をしたい方は、緩和ケアの勉強をしてみてはいかがでしょうか。
本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンク』では、緩和ケアに携われる職場のご紹介が可能です。転職先をお探しの方は、栄養士人材バンクまでお気軽ご相談くださいね。