いずれも軽症ながらウエルシュ菌の食中毒か
東京都は6月21日、北区にある総合病院「医療法人社団博栄会 赤羽中央総合病院」と同じ建物内にある介護老人保健施設「東京シニアケアセンター赤羽」において、入院患者と入所者のあわせて55人に食中毒症状が発生したことを発表した。
東京都によると、6月13日9時30分頃、病院から北区保健所に入院患者ら複数人が下痢、腹痛の症状を呈し、発症者らは院内で調理された給食を喫食している旨、連絡があったという。
連絡を受けた保健所は直ちに食中毒と感染症の両面から調査を開始、その結果、感染症を疑う情報はなく、患者6人の糞便からウエルシュ菌を検出、また6月12日朝食の検食(エビのスープ煮)から、やはりウエルシュ菌が検出された。
患者は入院患者18人と、介護老人保健施設37人の合計55人で、6月12日14時から13日8時にかけて、下痢・腹痛などの症状を呈していた。これら症状と潜伏期間はウエルシュ菌によるものと一致し、また患者らは共通して6月12日の朝食を喫食していた。
これらの結果と、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、北区保健所は今回のケースを6月12日に施設で調理し、提供された朝食を原因とする食中毒と断定している。
患者55人は、男性が53歳~99歳の16人、女性が38歳~107歳の39人、入院患者数は18人だが、いずれも食中毒発生以前からの入院ケースで、食中毒症状を原因とするものではないという。6月20日12時時点で、患者全員が軽症であることも明らかにされた。
東京都によると、6月13日9時30分頃、病院から北区保健所に入院患者ら複数人が下痢、腹痛の症状を呈し、発症者らは院内で調理された給食を喫食している旨、連絡があったという。
連絡を受けた保健所は直ちに食中毒と感染症の両面から調査を開始、その結果、感染症を疑う情報はなく、患者6人の糞便からウエルシュ菌を検出、また6月12日朝食の検食(エビのスープ煮)から、やはりウエルシュ菌が検出された。
患者は入院患者18人と、介護老人保健施設37人の合計55人で、6月12日14時から13日8時にかけて、下痢・腹痛などの症状を呈していた。これら症状と潜伏期間はウエルシュ菌によるものと一致し、また患者らは共通して6月12日の朝食を喫食していた。
これらの結果と、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、北区保健所は今回のケースを6月12日に施設で調理し、提供された朝食を原因とする食中毒と断定している。
患者55人は、男性が53歳~99歳の16人、女性が38歳~107歳の39人、入院患者数は18人だが、いずれも食中毒発生以前からの入院ケースで、食中毒症状を原因とするものではないという。6月20日12時時点で、患者全員が軽症であることも明らかにされた。
3日間の営業等停止処分に
赤羽中央総合病院と東京シニアケアセンター赤羽では、院内給食施設で食事の調理を行い、入院患者と入所者に1日3食を、また関係職員及びデイサービス利用者に昼食のみを提供していた。
今回の食中毒発生を受け、東京都北区では給食施設に対し、21日から3日間の営業等停止処分を下した。なお施設では、すでに6月13日の夕食から食事提供を自粛している。
原因となった6月12日の朝食メニューは、ミルクロール、バターロール、イチゴジャム、エビのスープ煮、マカロニサラダ、カップヨーグルトだった。
今回の食中毒発生を受け、東京都北区では給食施設に対し、21日から3日間の営業等停止処分を下した。なお施設では、すでに6月13日の夕食から食事提供を自粛している。
原因となった6月12日の朝食メニューは、ミルクロール、バターロール、イチゴジャム、エビのスープ煮、マカロニサラダ、カップヨーグルトだった。
ウエルシュ菌は、人や動物の腸管、土壌、水中など自然界に広く分布する。酸素が少ない環境を好む嫌気性菌で、家畜の糞便や魚などからも検出される。
熱に強い芽胞を作る点が特徴的で、高温でも死滅せず生き残る。そのため食品を大釜などで大量に加熱調理すると、他の菌は死滅しても、ウエルシュ菌は耐熱性芽胞が残存、増殖することがある。
こうして増殖したウエルシュ菌が食べ物とともに摂取され、小腸内で増え、菌が芽胞型に移行する際、エンテロトキシンという毒素が産生される。これによって下痢などの症状が起きることが分かっている。
潜伏時間は約6~18時間、ほとんどが12時間以内に発症し、腹痛や下痢を主症状とする。症状としては比較的軽いが、注意は欠かせない。
肉類や魚介類、野菜などを用いた煮物や、カレー、シチュー、スープ、めんつゆなど食べる日の前日に大量に加熱調理され、長く大きな器のまま室温で放冷されていたケースで発生事例が多い。
前日調理や室温放置は避け、加熱調理したものはなるべく早く喫食すること、一度に大量の食品を加熱調理した場合には小分けするなどして急速に冷却し、菌が発育しやすい温度帯で長く保持される事態を避けることが対策として有効となる。
(画像はプレスリリースより)
熱に強い芽胞を作る点が特徴的で、高温でも死滅せず生き残る。そのため食品を大釜などで大量に加熱調理すると、他の菌は死滅しても、ウエルシュ菌は耐熱性芽胞が残存、増殖することがある。
こうして増殖したウエルシュ菌が食べ物とともに摂取され、小腸内で増え、菌が芽胞型に移行する際、エンテロトキシンという毒素が産生される。これによって下痢などの症状が起きることが分かっている。
潜伏時間は約6~18時間、ほとんどが12時間以内に発症し、腹痛や下痢を主症状とする。症状としては比較的軽いが、注意は欠かせない。
肉類や魚介類、野菜などを用いた煮物や、カレー、シチュー、スープ、めんつゆなど食べる日の前日に大量に加熱調理され、長く大きな器のまま室温で放冷されていたケースで発生事例が多い。
前日調理や室温放置は避け、加熱調理したものはなるべく早く喫食すること、一度に大量の食品を加熱調理した場合には小分けするなどして急速に冷却し、菌が発育しやすい温度帯で長く保持される事態を避けることが対策として有効となる。
(画像はプレスリリースより)