入居者に下痢や腹痛の症状
千葉県船橋市は12月2日、市内のサービス付き高齢者向け住宅で集団食中毒が発生したことを明らかにした。
発表によると、該当施設は船橋市行田の「らいおんハートホスピスホーム船橋」で、11月25日、同住宅の管理者から、前日の24日から25日朝にかけて、入居者13人に下痢・腹痛症状が現れ、食中毒の疑いがあると判断、届出を行った旨の連絡があったという。
職員に体調不良者はいなかったが、この報告を受け、船橋市保健所衛生指導課が調査を開始した。
発表によると、該当施設は船橋市行田の「らいおんハートホスピスホーム船橋」で、11月25日、同住宅の管理者から、前日の24日から25日朝にかけて、入居者13人に下痢・腹痛症状が現れ、食中毒の疑いがあると判断、届出を行った旨の連絡があったという。
職員に体調不良者はいなかったが、この報告を受け、船橋市保健所衛生指導課が調査を開始した。
患者の便からウエルシュ菌を検出
調査の結果、施設入居者33人のうち60代~80代の13人が、11月24日21時から翌朝6時にかけて下痢、腹痛の食中毒症状を呈していたことが判明した。
発症者が共通して口にしていたのは、この施設で提供された食事に限られていたほか、発症者の便11検体のうち4検体でウエルシュ菌陽性の結果が出たこと、発症者の症状がウエルシュ菌による症状と一致することなどから、船橋市保健所長が、このサービス付き高齢者向け住宅給食施設を原因とする食中毒事例と断定した。
原因は、11月24日に施設で提供された食事とみられるが、同日の調理に従事したスタッフの便からはウエルシュ菌の検出はなく、またこの日の保存検食21検体については、現在検査中とされている。
行政措置として、食事の調理に当たった「らいおんハートホスピスホーム船橋」の委託給食事業者である株式会社ウェルビーイングクリエイトは、12月2日から4日までの3日間、営業停止の処分がとられた。
なお、患者は全員回復しているという。
ウエルシュ菌は、ヒトや動物の腸管、土壌、河川など自然界に広く常在し、食肉や魚介類に多くみられる常在菌。嫌気性菌で熱に強い芽胞を形成するため、高温でも死滅せずに生き残る。
食品を大釜などで大量に加熱調理する際、中心部が無酸素状態となって、他の菌は死滅してもウエルシュ菌だけが芽胞状態で生き残ることがある。その後、食品温度が低下して芽胞が発芽、大量に増えたウエルシュ菌はその食品とともに摂取され、胃を通過して小腸内で増殖、エンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生し、これによって下痢などの症状が発生する。
潜伏期間は6~18時間、平均10時間で、喫食後24時間以降に発病することはほとんどない。主な症状は腹痛と下痢、一般的には1~2日で回復する。
肉や魚介類を含む煮物や、カレー、シチューなど大量に加熱調理する給食で、大釜のまま室温で放冷するなどすると発生しやすい。
対策として、前日調理は避け、調理後はできるだけ早く食べるようにすること、一度に大量調理する際には、ウエルシュ菌の発育しやすい43~47度の温度帯を長く保たないようにすること、再加熱時には十分に加熱して生菌数を減らすこと、また攪拌してできるだけ空気を入れるようにすることなどが有効とされる。
(画像はプレスリリースより)
発症者が共通して口にしていたのは、この施設で提供された食事に限られていたほか、発症者の便11検体のうち4検体でウエルシュ菌陽性の結果が出たこと、発症者の症状がウエルシュ菌による症状と一致することなどから、船橋市保健所長が、このサービス付き高齢者向け住宅給食施設を原因とする食中毒事例と断定した。
原因は、11月24日に施設で提供された食事とみられるが、同日の調理に従事したスタッフの便からはウエルシュ菌の検出はなく、またこの日の保存検食21検体については、現在検査中とされている。
行政措置として、食事の調理に当たった「らいおんハートホスピスホーム船橋」の委託給食事業者である株式会社ウェルビーイングクリエイトは、12月2日から4日までの3日間、営業停止の処分がとられた。
なお、患者は全員回復しているという。
ウエルシュ菌は、ヒトや動物の腸管、土壌、河川など自然界に広く常在し、食肉や魚介類に多くみられる常在菌。嫌気性菌で熱に強い芽胞を形成するため、高温でも死滅せずに生き残る。
食品を大釜などで大量に加熱調理する際、中心部が無酸素状態となって、他の菌は死滅してもウエルシュ菌だけが芽胞状態で生き残ることがある。その後、食品温度が低下して芽胞が発芽、大量に増えたウエルシュ菌はその食品とともに摂取され、胃を通過して小腸内で増殖、エンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生し、これによって下痢などの症状が発生する。
潜伏期間は6~18時間、平均10時間で、喫食後24時間以降に発病することはほとんどない。主な症状は腹痛と下痢、一般的には1~2日で回復する。
肉や魚介類を含む煮物や、カレー、シチューなど大量に加熱調理する給食で、大釜のまま室温で放冷するなどすると発生しやすい。
対策として、前日調理は避け、調理後はできるだけ早く食べるようにすること、一度に大量調理する際には、ウエルシュ菌の発育しやすい43~47度の温度帯を長く保たないようにすること、再加熱時には十分に加熱して生菌数を減らすこと、また攪拌してできるだけ空気を入れるようにすることなどが有効とされる。
(画像はプレスリリースより)