NIBNらのシミュレーション研究で明らかに
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(以下、NIBN)と株式会社明治は29日、ヨーグルトの摂取量を適量まで増やすことにより、日本国内での2型糖尿病に関連する医療費がどのように変化するか、シミュレーションにより試算、削減への効果可能性があることを明らかにした。この研究成果は2025年7月9日に、国際学術誌の「Nutrients」に掲載されている。
研究は、「食環境整備推進のための産学官等連携共同研究プロジェクト」の一環として実施されたもので、健康意識が高い人だけでなく、あらゆる人が特別な意識なく、自然に健康になれる食環境の構築を目指して進められた。
プロジェクトには、NIBNのほか、味の素株式会社、江崎グリコ株式会社、カゴメ株式会社、キッコーマン株式会社、株式会社ゼンショーホールディングス、日清食品ホールディングス株式会社、株式会社ニッスイ、株式会社明治が加わっている。
日本国内には糖尿病患者とその予備群が約2,000万人いると推定されている。糖尿病は心筋梗塞や脳卒中、認知症などのさまざまな疾病リスクを高め、生活の質の低下のほか医療費増大の一因になっている。よって適切な対策を施し、糖尿病発症を予防することが望まれる。
2型糖尿病の多くは、遺伝要因に食生活の乱れや運動不足といった生活習慣が加わって発症する。近年、複数の研究でヨーグルトの摂取が発症予防に有効との報告が上がっており、これを受けてヨーグルトの摂取量を適量まで増やした場合、医療費にどのような影響が及ぶかシミュレーション検証を行ったという。
研究は、「食環境整備推進のための産学官等連携共同研究プロジェクト」の一環として実施されたもので、健康意識が高い人だけでなく、あらゆる人が特別な意識なく、自然に健康になれる食環境の構築を目指して進められた。
プロジェクトには、NIBNのほか、味の素株式会社、江崎グリコ株式会社、カゴメ株式会社、キッコーマン株式会社、株式会社ゼンショーホールディングス、日清食品ホールディングス株式会社、株式会社ニッスイ、株式会社明治が加わっている。
日本国内には糖尿病患者とその予備群が約2,000万人いると推定されている。糖尿病は心筋梗塞や脳卒中、認知症などのさまざまな疾病リスクを高め、生活の質の低下のほか医療費増大の一因になっている。よって適切な対策を施し、糖尿病発症を予防することが望まれる。
2型糖尿病の多くは、遺伝要因に食生活の乱れや運動不足といった生活習慣が加わって発症する。近年、複数の研究でヨーグルトの摂取が発症予防に有効との報告が上がっており、これを受けてヨーグルトの摂取量を適量まで増やした場合、医療費にどのような影響が及ぶかシミュレーション検証を行ったという。
160gの摂取で発症が16.1%減少の可能性
研究グループは、40~79歳の日本人データを用い、シミュレーションを実施、ヨーグルト摂取量を適量まで増やした場合の医療経済効果をマルコフモデルにより試算した。
2019年の国民健康・栄養調査では、ヨーグルトを含む発酵乳・乳酸菌飲料の平均摂取量は24.5~51.4g/日にとどまっていたが、食事バランスガイドでは1日に「2つ分」の牛乳・乳製品摂取が適量とされ、ヨーグルトでこれを満たすならば160gの摂取が適量となる。
よって160g/日に増量した場合と、その半分量である80g/日とした場合について、シミュレーションが行われた。その結果、160g/日まで増やした場合、10年間で2型糖尿病の発症は16.1%減少する可能性があり、関連医療費も2.4%(約1,440億円)減少すると見込まれたという。
また80g/日の場合でも、10年間で2型糖尿病の発症が5.9%減少、関連医療費が0.9%(約520億円)減少する可能性が示唆された。
研究グループでは、個人を対象とした介入研究ではなく、シミュレーションには限界があることを示した上で、健康的な食習慣の一部にヨーグルトを取り入れることが望ましいと考えられるとした。
ただし長期的な過剰摂取は栄養摂取の偏りを生じさせる恐れがあるため、推奨するものではないともしている。
(画像はプレスリリースより)
2019年の国民健康・栄養調査では、ヨーグルトを含む発酵乳・乳酸菌飲料の平均摂取量は24.5~51.4g/日にとどまっていたが、食事バランスガイドでは1日に「2つ分」の牛乳・乳製品摂取が適量とされ、ヨーグルトでこれを満たすならば160gの摂取が適量となる。
よって160g/日に増量した場合と、その半分量である80g/日とした場合について、シミュレーションが行われた。その結果、160g/日まで増やした場合、10年間で2型糖尿病の発症は16.1%減少する可能性があり、関連医療費も2.4%(約1,440億円)減少すると見込まれたという。
また80g/日の場合でも、10年間で2型糖尿病の発症が5.9%減少、関連医療費が0.9%(約520億円)減少する可能性が示唆された。
研究グループでは、個人を対象とした介入研究ではなく、シミュレーションには限界があることを示した上で、健康的な食習慣の一部にヨーグルトを取り入れることが望ましいと考えられるとした。
ただし長期的な過剰摂取は栄養摂取の偏りを生じさせる恐れがあるため、推奨するものではないともしている。
(画像はプレスリリースより)