昼食でウエルシュ菌による食中毒が発生
埼玉県は3日、熊谷市の高齢者福祉施設内のレストランでウエルシュ菌による食中毒が発生し、提供施設への行政処分を行ったことを発表した。
食中毒事例が発生したのは、埼玉県熊谷市広瀬の高齢者福祉施設内レストランで、ロイヤルコントラクトサービス株式会社(以下、ロイヤルコントラクトサービス)が運営を受託している「SHR桜ガーデン」。
発表によると、11月30日に当該高齢者福祉施設から、前日の11月29日20時頃から複数の入居者において、腹痛や下痢の症状が発現している旨、熊谷保健所に通報があったという。
これを受け、同保健所が調査を開始したところ、患者10人の便からウエルシュ菌が検出され、患者らの主症状や潜伏期間がウエルシュ菌による食中毒の特色と一致したほか、共通して摂取した食事がこの施設内レストランで提供された食事に限られていたため、「SHR桜ガーデン」での昼食によるウエルシュ菌食中毒と断定された。
食中毒事例が発生したのは、埼玉県熊谷市広瀬の高齢者福祉施設内レストランで、ロイヤルコントラクトサービス株式会社(以下、ロイヤルコントラクトサービス)が運営を受託している「SHR桜ガーデン」。
発表によると、11月30日に当該高齢者福祉施設から、前日の11月29日20時頃から複数の入居者において、腹痛や下痢の症状が発現している旨、熊谷保健所に通報があったという。
これを受け、同保健所が調査を開始したところ、患者10人の便からウエルシュ菌が検出され、患者らの主症状や潜伏期間がウエルシュ菌による食中毒の特色と一致したほか、共通して摂取した食事がこの施設内レストランで提供された食事に限られていたため、「SHR桜ガーデン」での昼食によるウエルシュ菌食中毒と断定された。
42人に症状が発現
調査の結果、原因となる食事を摂ったのは100人。11月29日の12時30分頃に喫食し、同日19時45分頃から腹痛や下痢の症状を訴える患者がみられ始めた。
埼玉県による発表時点で、50歳代から100歳代の入居者ら、男性7人、女性35人の合計42人に症状が発現したとされている。
患者らが喫食したメニューは、「鶏肉の中華風炒め、赤魚の塩麹焼き、大学いも、ブロッコリーの辛子和え、香の物、ご飯、味噌汁」だった。
県では食品衛生法に基づき、当該施設を12月3日から12月5日までの3日間、営業停止の処分とした。熊谷保健所では営業者に対し、食中毒の再発防止を目的とした消毒指導や、調理従事者への衛生教育などを進めている。
ロイヤルコントラクトサービスは4日、この事例について発表を行い、11月30日の朝食提供以降、レストラン内厨房による食事の準備・提供を中止しているとしたほか、再発を防止すべく、一層の食の安全・安心確保を進めていくとした。
具体的には、客席や厨房などの作業場における除菌消毒の実施、食材の取り扱い、調理時における温度管理の徹底、従業員への教育や研修などを挙げている。
埼玉県による発表時点で、50歳代から100歳代の入居者ら、男性7人、女性35人の合計42人に症状が発現したとされている。
患者らが喫食したメニューは、「鶏肉の中華風炒め、赤魚の塩麹焼き、大学いも、ブロッコリーの辛子和え、香の物、ご飯、味噌汁」だった。
県では食品衛生法に基づき、当該施設を12月3日から12月5日までの3日間、営業停止の処分とした。熊谷保健所では営業者に対し、食中毒の再発防止を目的とした消毒指導や、調理従事者への衛生教育などを進めている。
ロイヤルコントラクトサービスは4日、この事例について発表を行い、11月30日の朝食提供以降、レストラン内厨房による食事の準備・提供を中止しているとしたほか、再発を防止すべく、一層の食の安全・安心確保を進めていくとした。
具体的には、客席や厨房などの作業場における除菌消毒の実施、食材の取り扱い、調理時における温度管理の徹底、従業員への教育や研修などを挙げている。
大量調理と作り置きが危険なウエルシュ菌
ウエルシュ菌は、土壌や動物、人の腸管内などに広く分布する常在菌。酸素を嫌う嫌気性菌として知られる。熱に強い芽胞と呼ばれるものを作るため、高温でも死滅せず生き残る特徴がある。
よって食品を大釜などで大量に加熱調理すると、他の細菌が死滅しても生き残り、100度の加熱でも死滅しないで食中毒の原因となることがある。
前日に大量加熱調理され、適切な冷却が行われないまま、室温で放冷されていたケースなどで発生することが多く、とくにスープやカレー、シチューなどの作り置きが原因食品となりやすい。
40度~50度で急速に増殖、大量調理により食品中心部が酸素のない状態となることも、嫌気性菌のウエルシュ菌にとっては好ましい環境で、この発育温度帯になると発芽し大量増殖する。
増殖したウエルシュ菌が食べ物とともに胃を通過し、小腸内で増殖して菌が芽胞型に移行すると、エンテロトキシンが産生され、この毒素の作用で下痢や腹痛が生じる。一般に症状は軽く、6~18時間の潜伏期間後に発症、多くは1~2日で回復する。
対策としては、ウエルシュ菌の増えやすい温度帯で放置しないことが第一に挙げられ、加熱調理したものでも過信せず、なるべく早く食べること、どうしても保存する場合には小分けして冷蔵するなど、早く適切に冷やすことがポイントとなる。
(画像はPixabayより)
よって食品を大釜などで大量に加熱調理すると、他の細菌が死滅しても生き残り、100度の加熱でも死滅しないで食中毒の原因となることがある。
前日に大量加熱調理され、適切な冷却が行われないまま、室温で放冷されていたケースなどで発生することが多く、とくにスープやカレー、シチューなどの作り置きが原因食品となりやすい。
40度~50度で急速に増殖、大量調理により食品中心部が酸素のない状態となることも、嫌気性菌のウエルシュ菌にとっては好ましい環境で、この発育温度帯になると発芽し大量増殖する。
増殖したウエルシュ菌が食べ物とともに胃を通過し、小腸内で増殖して菌が芽胞型に移行すると、エンテロトキシンが産生され、この毒素の作用で下痢や腹痛が生じる。一般に症状は軽く、6~18時間の潜伏期間後に発症、多くは1~2日で回復する。
対策としては、ウエルシュ菌の増えやすい温度帯で放置しないことが第一に挙げられ、加熱調理したものでも過信せず、なるべく早く食べること、どうしても保存する場合には小分けして冷蔵するなど、早く適切に冷やすことがポイントとなる。
(画像はPixabayより)