コメントありがとうございます。
ソフト食の導入についてですが、今までの配属先であった施設の栄養士さんの取り組みを紹介したいと思います。
その施設(法人)では遡ること7~8年前、黒田留美子先生の高齢者ソフト食という話が出始めた頃、それを参考に導入を開始しました。
まずはその当時、「ソフト食」という言葉自体聞きなれないものでしたので、「ソフト食」とは何ぞやとか、なぜ「刻み食」ではだめなのかなどといったことを勉強会を開いて介護職や私たち委託側のスタッフに伝え理解してもらっていました。
初めの提供の仕方については、ミキサー食以外の全ての食形態に対して主菜をソフト食(常食・一般食でも見た目に違和感が少ないミートローフ、千草焼、ムキガレイを使用した料理etc.…)にした献立を、週に2~3回程度入れていきました。こうすれば、ソフト食をつくるといっても、それまでとつくる品数は同じであるので調理の手間としてはそれほど変わらないことになります。
始めのうちは、仕上がる硬さにバラつきがあり、ときには結局刻んで提供することもありました。また、予め今日はソフト食だと説明をしてあっても、介護職から「刻まれていない!」「配膳ミスだ!」などといった連絡が入ることがあり、その度に連絡をくれた職員のところへ行き、ソフト食の説明をして理解してもらうといったことを行いました。
そんなこんなを繰り返すうちに施設側も委託側も段々とソフト食を理解し、慣れていきました。と同時に、ソフト食であってもかき込み・丸のみをする傾向のある利用者には危険がある事、見た目が悪くても嗜好的にソフト食より常食を刻んだ物の方が良いという利用者もいる事、などといった発見があり、そういった方たちへの対応の検討や食形態の再検討などもしました。その当時は「ソフト食」は介護食として完璧なものだという思い込み、先入観があったので、こういった例にはすごく驚いた記憶があります。
次の段階として、主菜のみ常食とソフト食の提供を開始しました。ソフト食は毎回手作りするのではなく、食数が多い昼食時には既製品を使用することもしました。
このように、できることからはじめて少しずつ少しずつステップアップして行きました。現在は、まだ若干メニューによっては副菜においてソフト食だったり刻み食だったりする時もありますが、ほぼ常食・介護食(ソフト食)・ミキサー食の3形態で提供できています。
ここまで来る間、施設側の栄養士さんは色々と本当に大変だったと思いますが、委託側の人間である自分には見えていないこともたくさんあったと感じています。なので、何かしら機会をつくってソフト食を導入している施設に伺ったり、このサイトを利用したりして同じ施設側の方の意見を聞いてみても参考になる事が多々あると思います。
毎回長文で申し訳ございません。ただ、これだけではやはり伝えきれないこともたくさんあります。ご期待に沿う内容になっているか解りませんが、少しでも何か参考になる部分があればと思います。
2011/04/12