らんなー様、他皆様
おもしろいコメント欄でしたので、私も足跡を残させてください。
ですが、まじめに所見を記述させていただきます。
長文になりますので、2回に分けます。
現在の日本経済の現状では、20年以上に渡るデフレ(←これは、歴代日本政府の
政策の失敗です。もうご存じかもしれませんが、アメリカの経済学の教科書では、
経済政策の失敗例として、日本のデフレが紹介されています)
により、今や日本の名目GDPの伸び率は、先進国の中でも最下位。
1980年当時とほぼ横ばいです。(詳しくはググってください)
我々栄養士のように、1円単位で食材費を賄うものにとっては、
食料自給率37%なんて数字は、現在の円安、世界的な食料難の状況、エネルギー調達時の
競り負けなど、「安くおいしく」は、もう一栄養士の工夫だけでは乗り越えられないと思って
おります。
病院・福祉施設ともに、給食委託費が経営を圧迫している現状をご存じでしょうか。
私も、約30年ほどの栄養士としてのキャリアがありますが、もっと後進のために
栄養士としての地位や雇用、食料問題について、声を上げるべきであったと現在反省し
まずは、現所属施設全体で、食料自給率アップのための勉強会・運動の準備中です。
(それなりに、平成の米騒動、BSE問題、鳥インフルエンザと食材への危機は
場数を踏んだのですが、日々の業務を言い訳に、何もしてこなかった、、、)
先日、部下ともいえる後輩栄養士から、「栄養士としての給与では、
生活がやっていけない」と多職種への転職相談を受けました。
4年制大卒管理栄養士の初任年収が、平均310万円程度(それも公務員)って、それだけのコスト
手間をかけてのリターンがコメディカル職種の中でも最低なんて、
栄養士の職種を馬鹿にしすぎています。
以前、同エイチエ内のコメントで、やはり給料が安くて生活できないという
公務員栄養士さんの質問に対し、「栄養士の報酬が低いのは、それだけレベルの低い栄養士
がいるから、あたりまえ」という主旨のものを拝見したことがあります。(このコメントに
拍手している方がいたことにも大変驚きました)
その時は、怒りのあまり反論コメントをする気も起きず、スルーしてしまったのですが、
同じ栄養士が、栄養士の足を引っ張っているようではいけません。
栄養士同士でさえ、「自己責任」を押し付け合う、この新自由主義的発想が栄養士の地位向上を
阻み、損ねている一番の原因であると考えるのですが、皆様はいかがお考えでしょうか?
栄養士業務の全体的な地位向上なくしては、報酬アップは望めません。
内閣府の調査では、単独(一人)世帯にかかる月費用は、平均16万円といわれています。
なのに、10年選手のベテラン管理栄養士の月収が総額19万円あるかないか(可処分所得
=手取りは16万円を切る)では、多職種への転職を考えざるを得ないでしょう。
現状、栄養士の報酬から見た日本における職種的地位は、全職種の中で「負け組」です。
このコメント欄を読まれている方々の中で、日本栄養士会に所属されている方はどのぐらい
いますか?先の後輩栄養士は、年14,000円程の年会費を捻出できないということで、栄養士会に所属
しておりません。自らの声を出す団体にさえ、所属することができないほどの「賃金」だというのが
現状なのです。
私がした、先の後輩栄養士へのアドバイスは、まずは栄養士としての転職を視野に入れ、高待遇の職場を期間限定(2か月以内)で探し、それでも良い条件がなければ、多職種への転職を視野に
入れたらどうかというものです。
併せて、なんとか施設グループの収入を増やせるように、栄養士として何ができるかということも
考えて実践しております。(←緊縮財政や合理化ばかりでは、先細りですので)
今年度より、100万円ほどの増収が見込めそうですが、全職員の給与を底上げするところまでいきません。本当に残念ですが。(次に続く)
2022/05/26