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2024.03.06

管理栄養士・栄養士の給料はどのくらい?平均年収・上げる方法を解説!

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管理栄養士の渡部 早紗です。

転職活動において最も気になる面がお金!という方も多いのではないでしょうか?かくいう私も、転職の募集要項のなかで一番に目に入るものが給与でした。

転職のときに気にしていたお給料事情について深掘りして調べてみましたので、今回は管理栄養士・栄養士の平均的な給与や年収、ボーナスなどの待遇について解説していきます!

今貰っている自分の給与は平均と比べて多いのか、将来はどうなるのかなど、他の管理栄養士・栄養士さん の給与事情は気になるものの、なかなか聞きにくいですよね。

ネットには給与や年収に関するさまざまな情報が膨大にあり、どの情報が正しいのか戸惑う方も多いのではないでしょうか。

また、転職を検討されている方の中には、現在の職場と比べて年収が増えるのか気になるところかと思います。

管理栄養士・栄養士の平均月給と年収、ボーナスだけでなく、転職した場合の年収についても説明しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

1.管理栄養士・栄養士の平均月給と年収、ボーナスはどれくらい?

政府が調べたデータになりますので、管理栄養士・栄養士合算の平均値になっています。

年収は管理栄養士で+10万円、栄養士は-10万円を相場の目安に見てください。例えば、管理栄養士全体の平均月給は約25万3000円、ボーナスや含む平均年収は約372万円です。

平均年収や月収データは高く出やすい

自分の年収がとても低く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、一概にそうとは言えません。

政府データやインターネットで検索して出てくる平均年収や月収は、都心部の給与額に加えて、勤続5年や10年と長期勤続している方も含めているデータなので、高めに出やすくなります。

勤続年数が長くなるほど、昇級によって給与が上がる職場が多いもの。そのため、平均年収や月収は20代より30代、30代より40代、50代の方が高くなっています。

さらに、勤続年数や年齢、職場の体制によっては役職がつくため、平均年収が高く出やすいです。平均年収はあくまで参考程度にしましょう。

年収ぶっちゃけ

転職した場合はどうなる?経験年数別の年収


転職や就職をしたときの給与目安が知りたい場合は、20代前半の方は初年度、20代後半以降の方は月収なら初年度、賞与は1~4年勤続した場合のものを目安にすると転職時のキャップが少なくなりますよ。

表を見ると年代によってボーナス額は大きく異なりますが、年収の平均はほぼ同じですので、初年度の賞与額は参考程度にしましょう。

長期就業後の転職では年収が下がりやすい!?

『転職=年収アップ』『キャリアを積んでいるから年収が上がる』と思いやすいですが、政府の統計データによると、どの年代であっても転職初年度では年収が200万円台になっていることがわかります。

30代以上で1つの職場に長期就業してきた方は、昇給や積み重ねてきた実績があるため、政府も統計データ以上にもらっている方が多いのではないでしょうか。

とはいえ、可能な限り年収をキープ、もしくはアップで転職する方法も存在します!この先に書いていきますので、ぜひ読み進めてくださいね。

2.年代別で見る!管理栄養士・栄養士の給与事情

本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンク』のご紹介実績を元に、年代別に転職初年度の平均年収を出してみました。

2022年4月~2023年7月末までの実績を用いています。
栄養士 管理栄養士 平均
20代前半 268万円 294万円 284万円
20代後半 286万円 305万円 301万円
30代前半 293万円 319万円 313万円
30代後半 295万円 336万円 325万円
40代 319万円 342万円 335万円
50代 313万円 346万円 334万円
60代以上 229万円 258万円 239万円
平均 287万円 315万円 305万円
先述の政府データとは打って変わって、年齢を重ねるごとに年収が上がってるのがわかります。

今の職場で昇級し、少しずつ年収が上がっているのは、仕事を続けて積み上げてきた実績によるもの。転職したらむやみにリセットされるのは悲しいですよね。

転職で年収が下がってしまう原因は
・委託→病院など、経験がリセットされるとき
・勤務形態が変わるとき
・役職やポジションを外して転職するとき
・残業が多いところから残業がない職場へ転職したとき
・条件交渉をせず転職したとき

などが挙げられます。

栄養士人材バンクでは、転職で叶えたいのは年収を下げてでもチャレンジしたい場所なのか?年収を維持して別の環境で今までのキャリアを活かしたいのか?など、丁寧にヒアリングして進みたい方向を明確にしてくれます。

また、可能な限り積み上げてきたものを維持できるよう、ご紹介先の事業所様へ年収の交渉を行ってくれるので、心強いですよ。

3.都道府県別で見る!管理栄養士・栄養士の給料事情

次に、都道府県別の転職初年度の平均年収を見ていきましょう。
栄養士 管理栄養士 平均
北海道 252万円 324万円 310万円
青森県 230万円 277万円 261万円
岩手県 256万円 313万円 304万円
宮城県 261万円 284万円 276万円
秋田県 255万円 280万円 270万円
山形県 233万円 285万円 268万円
福島県 262万円 289万円 283万円
茨城県 310万円 321万円 317万円
栃木県 311万円 324万円 320万円
群馬県 310万円 331万円 327万円
埼玉県 303万円 334万円 328万円
千葉県 306万円 330万円 326万円
東京都 336万円 342万円 340万円
神奈川県 305万円 331万円 323万円
新潟県 243万円 295万円 276万円
富山県 263万円 282万円 270万円
石川県 277万円 306万円 295万円
福井県 258万円 291万円 273万円
山梨県 236万円 292万円 283万円
長野県 313万円 324万円 319万円
岐阜県 283万円 325万円 304万円
静岡県 279万円 305万円 300万円
愛知県 284万円 312万円 306万円
三重県 243万円 305万円 291万円
滋賀県 242万円 283万円 273万円
京都府 290万円 298万円 296万円
大阪府 298万円 309万円 307万円
兵庫県 280万円 318万円 314万円
奈良県 304万円 315万円 312万円
和歌山県 240万円 297万円 268万円
鳥取県 288万円 297万円 292万円
島根県 274万円 282万円 278万円
岡山県 283万円 289万円 288万円
広島県 281万円 301万円 298万円
山口県 309万年 294万円 303万円
徳島県 227万円 283万円 282万円
香川県 264万円 309万円 299万円
愛媛県 238万円 297万円 287万円
高知県 259万円 313万円 286万円
福岡県 284万円 294万円 291万円
佐賀県 251万円 295万円 285万円
長崎県 254万円 292万円 281万円
熊本県 268万円 295万円 286万円
大分県 271万円 303万円 294万円
宮崎県 229万円 312万円 291万円
鹿児島県 269万円 291万円 285万円
沖縄県 231万円 292万円 280万円
都道府県によって最低賃金の額が異なるように、管理栄養士・栄養士の年収も都道府県によって大きく異なります。

管理栄養士を例にとってみてみると、関東/関西/地方都市は年収300万円以上、地方は年収290万円前後が相場となります。

地域によって年収の差は大きいものですが、年収が高い地域はその分物価や地価が高いものです。

年収最高値の東京都の家賃相場(1K)は約7万円、一方は年収最安値の青森県は約4.3万円。東京都と青森県では年間にしておよそ32万円の差があります。

例えば、転職して地方から都会行きたい!と考えた場合には、年収がアップしても今以上に家賃がかかる可能性を考慮しましょう。

一方、地方は家賃が安いですが、生活に車が必要な場合が多いため、免許の取得や車の購入・維持費もかかります。都道府県別の平均年収には差があるものの、生活費を加味するとほぼ同じになることも多いです。​

4.業界別で見る!管理栄養士・栄養士の給与事情

最後に、業界別に転職初年度の平均年収を見ていきましょう。
栄養士 管理栄養士 平均
学校 304万円 365万円 334万円
一般企業 281万円 330万円 324万円
病院
クリニック
300万円 325万円 322万円
障がい者施設
児童養護施設
281万円 334万円 315万円
保育園 300万円 312万円 305万円
介護施設 275万円 308万円 303万円
給食委託会社 290万円 302万円 295万円
就業先によって年収にも差がつくことがわかりますね。特に一般企業は、食品中心か医療品中心かといった分野によって、給与額も大きく変わってきます。

ですが、給与だけで職場や進む方向を決めてしまうのは危険です。

生活のために働くとはいえ、あまりにも自分のやりたい仕事とかけ離れていると、困難が立ちはだかった時に心が折れてしまい、結果として続けられなくなってしまうこともあります。

ほかと比較して年収が少ない…と思う業界であっても、コツコツと年数を重ねて昇級することで年収が上がっていきますから、額面だけで判断せずに、続けられる仕事かどうかも考慮できるといいですね。

自分がやりたいことや仕事量、仕事に伴う責任など総合的なバランスをみていきましょう。

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お給料について

5.公務員(行政)と民間企業の給料の違い

いわゆる「行政栄養士」と呼ばれる公務員と民間企業の給料の大きな違いは、公務員の場合は法律によって給料の体制が決まっており、勤続年数によって確実に給料が上がる点です。

国家公務員の場合、給料は「行政職俸給表」にて決められています。例として、大卒一般職の初任給は、月給185,200円程(令和5年9月現在)です。国家公務員の給料は、学歴や今までの職歴に応じて決定されます。 そのため、転職によって今までの経験すべてがリセットされることは少ないでしょう。さらに、コツコツと勤続年数を重ねることで、確実に年収アップを目指すことができます。

地方公務員の給料は、各自治体によって違いがあるでしょう。勤務年数などによって違いがありますが、月給は18万~30万円、年収は330万~450万円が目安となります 。

公務員の場合は年功序列による体制が一般的であり、急に昇進して給料が上がることは少ないでしょう。さらに、公務員の給料は民間企業の給与水準に合わせるように設定されており、民間企業と比べて多すぎる・少なすぎることがないように定期的に見直されています。

民間企業は、公務員と同様に年功序列の会社がある一方で、評価制度によって、昇給・昇格を目指せる企業も存在します 。企業によって異なりますが、年齢に関係なく働きぶりによって給料アップを目指すこともできるでしょう。さらに、会社の業績が給料に反映されることもあります。

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6.管理栄養士・栄養士が給料を上げるには?

ご紹介した通り、業界によって管理栄養士・栄養士の給料は変化します。さらに、雇用形態や資格の有無も給料に反映するでしょう。「給料が低い…」と思ったときに、給料を増やす方法をご紹介します。

1)管理栄養士が給料を上げるには

管理栄養士の場合、業界を変えたり、公務員を目指したりすることで給料アップを目指せるでしょう。公務員の栄養士・管理栄養士枠の採用人数は1~2名と狭き門であり、さらに毎年募集があるとは限りませんが、ご自身の地域の行政サイトで募集をチェックしてみるといいですね。

ほかにも、非正規雇用から正社員など、雇用形態を変えることで給料を上げることもできるでしょう。ただし、雇用形態が変化すると勤務時間や責任の重さも変化します。自分のライフスタイルと相談しながら考えるといいですね。

また、資格取得を目指すことで、キャリアップに繋がり結果として給料を上げることができるでしょう。

例えば、公認スポーツ栄養士の資格手当を設けている企業もあります 。病院など臨床現場なら、栄養サポートチーム(NST)専門療法士や日本糖尿病療養指導士などの資格を取得することで、評価に繋がることもあるでしょう。

【管理栄養士必見】栄養サポートチーム(NST)専門療法士の資格とは?

【まとめ】糖尿病療養指導士(CDE)とは -管理栄養士が取得するには?

資格以外にも、研修会などに積極的に参加することでスキルを磨くことができますし、職場により貢献できるようになるため、評価に繋がるかもしれません。

2)栄養士が給料を上げるには

栄養士が給料を上げるための近道は、やはり管理栄養士の資格取得が挙げられます。

企業によって異なりますが、管理栄養士と栄養士で給与が異なっているほか、管理栄養士手当などがある場合、月額1~3万円程度プラスされます。 さらに、管理栄養士の資格を取ることで、病院や企業の管理栄養士を目指せるなど、より給料が高い業界への転職も可能となります。

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現在の職場のまま給料を上げるには、契約社員から正社員など雇用形態を変更することも一案です。給料が上がることはもちろん、福利厚生やボーナスなどの待遇も良くなるでしょう。

ほかにも、昇進のある職場なら、昇進して役職に就くことで給料を上げることができます。

7.キャリアと給与を積み重ねられる職場に出会おう!

管理栄養士・栄養士の給与事情について解説しました。

勤続年数が長いほど転職によって給与が減ってしまう職種ではありますが、あくまでもここで示した給与や年収は平均です。

求人の掲載給与が平均より場合、当然責任のあるポジション採用や業務の負担も伴う前提ですが、本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンク』でも、年収350~500万円の求人のご紹介実績もあります。

つまり、年齢や経験、スキルと求人のタイミングによっては現在よりも年収アップできる場合ももちろんあります。

転職において給与は気になるものですが、業務の負担や自分がやりたいこと、長く続けたいかどうかなどを加味して、目先のお金だけでなく将来を考えてお仕事を探すことをおすすめします。

栄養士人材バンクでは、給与のことはもちろん、過去・現在・将来を一緒に考えながらお仕事探しのお手伝いをしますので、いつでも気軽に頼ってくださいね。

まとめ

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参考文献・サイト

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渡部 早紗

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