既往歴もわからないのでなんとも言えないのですが…
私が勤務している特養の入居者さんで、当時96歳の方の例を書きたいと思います。
もともとこの年齢でも米飯小盛と常菜を食べられていらっしゃいましたが、徐々に食事摂取量が減少し、なかなか食事が飲み込めなくなっていきました。当施設にもSTがおらず、周りのスタッフ全員が『嚥下状態が悪化しているのかもしれない』と思い、水分にとろみをつけ、食形態も段階を踏んで米飯⇒全粥⇒プリン粥になりましたが、摂取量が回復することはなく、入退院を繰り返していました。
何回目かの入院で正直周りのスタッフ全員が『もう戻ってこれないかも・・・』と思っていたとき、実は「アルツハイマー型認知症により、食物が認識できていない』ということが判明しました。口の中に固形物が入ると異物と思い、飲みこめずに吐き出していたのです。
そこから、粥も副食も全てそれぞれミキサーにかけ、厨房スタッフが濾し器で濾してつぶつぶ感もないようにして提供したところ、全てきれいに飲み干しました。数か月ぶりの10割摂取でした。
その方は99歳になった今でも、とろみなしでのミキサー食を召し上がり、入院や緊急受診などもなく元気に過ごされています。あくまでもこれは一例なのですが、認知症による摂取量の低下ということもあることを知っていただきたく書かせていただきました。長文で失礼しました。
2023/11/14