6月18日、国連食料システムサミット全体対話がオンライン形式で開催されたところ、概要は次のとおりです。
本年7月にローマでプレサミット、9月にニューヨークでサミットが開催される国連食料システムサミットは、食料システムの転換に向けた様々な関係者による「対話」を重要な要素と位置付けています。今般の全体対話は、昨年11月以降、農林水産省が中心となり、国内の食料・食品に関連する企業や、生産者・消費者の団体などと実施してきた対話の総まとめの機会として開催され、オンライン形式で一般公開されました。
全体対話では、野上農林水産大臣とともに鷲尾外務副大臣が開会の挨拶を行いました。鷲尾外務副大臣からは、新型コロナウイルスの感染拡大が世界の食料システムにも影響を及ぼす中、食料システムの脆弱性を克服し、強靱かつ持続可能なものにしていくため、国際的な取組を推進する重要性がかつてなく高まっている旨述べました。また、一部の国において輸出規制などの措置が執られた経緯も踏まえ、自由で公正な貿易ルールに基づいた食料サプライチェーンの強化を始め、食料システムを巡る国内外の課題に積極的に取り組んでいく必要性を指摘しました。さらに、国連食料システムサミットに向け、本全体対話が、日本と世界の食料システムの改善に寄与する貴重な機会となることを期待する旨述べました。
続いて、関係企業・団体から、食料システムの転換に向けた取組をコミットメントとして発表したほか、専門家によるパネルディスカッションなどが行われました。パネルディスカッションでは、パネリストから持続可能な食料システム構築に向けたそれぞれの取組紹介やサミットに向けた期待について発言がされるとともに、今後さらに食料システムの持続可能性を高めていくための課題や解決策について活発な議論が行われました。
国連食料システムサミットに向けて関係者が一同に会し、持続可能な食料システムの構築のために 具体的に行動していくことを確認
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press1_000545.html?fbclid=IwAR1M_-jazAbxbH-QL6-o8jK6FUSdt4iyaWojLRKWN9jamf4Fv6X9EHNs-Kg
令和3年6月18日
農林水産省
~「全体対話」を開催しました~
本日、国連食料システムサミットに向けた食料システムを担う関係者の皆様が一同に会して「全体対話」を開催しました。
全体対話においては、企業・団体や農業・水産高等学校の生徒などの皆様から持続可能な食料システムに向けた各種取組を発表いただき、我が国が9月の本サミットで提唱していく「我が国の目指す食料システムの姿(案)」の紹介や「持続可能な食料システム実現に向けて何をすべきか」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
池田政務官熊野政務官
本年9月に開催予定の国連食料システムサミットに向けて、これまで、農林水産省では、50を超える団体、農業者、消費者、関連企業等様々な関係者(ステークホルダー)の皆様と、食料システムの転換に向けて何ができるか・何をすべきかを語り合う「対話」を進めてまいりました。
6月18日、食料システムを担う関係者の皆様がオンラインで一同に会する「全体対話」を実施し、500名を超える方が参加しました。
1.企業・団体や高校生による取組の発表、地方自治体の取組の紹介
これまでに61の関係者(6月15日時点)の皆様から、それぞれが実施する持続可能な食料システムに向けた取組などをコミットメント等として提出いただきました。
全体対話では、そのうち13の企業・団体が、自らの取組を60秒にまとめた「60秒宣言」を発表しました。これに対して、野上農林水産大臣と池田農林水産大臣政務官から、「本日御発表いただいた皆様の取組を総合することで、食料生産から加工流通、消費まで、我が国を取り巻く食料システム全体の持続可能性向上を図ることができると確信した(野上大臣)」、「途上国における栄養不足とともに、先進国での栄養過多が引き起こす健康問題にも関心が高まっており、企業の皆さんの取組が課題解決に貢献すると考えている(池田大臣政務官)」等のコメントがなされました。
関係者の皆様からのコミットメント等
https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kanren_sesaku/FAO/commitment.html
また、9校の農業・水産高等学校の生徒が、未来の持続可能な食料システム達成に向けた取組やメッセージをそれぞれ発表しました。これに対し、野上大臣と熊野農林水産大臣政務官から、「SDGsの目標である2030年を思い描いたとき、その主役は今日御発表いただいた皆さんであり、そのような気概を持って今後も活動を続けてほしい(野上大臣)」、「次世代を担う皆さん方のアイデアや着眼点を大切にしてほしい(熊野大臣政務官)」等のコメントがなされました。なお、高校生の取組事例・メッセージについては、各校で、より詳細な英語のメッセージを作成し、サミットの機会を活用して積極的に紹介していく予定です。
農業・水産高等学校の取組事例・メッセージ
https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kanren_sesaku/FAO/FSS_video.html
このほか、持続可能な食料システム構築に向けた地方自治体の多様な取組について紹介がなされました。
2.「我が国の目指す食料システムの姿(案)」についての紹介
様々な関係者の皆様との一連の対話も踏まえ、5月に策定した「みどりの食料システム戦略」を軸に、また、自由貿易の重要性等外交的な観点からも、我が国の国際的な取組などをとりまとめた「我が国の目指す食料システムの姿(案)」を紹介しました。本内容を基に、今後開催予定のプレサミットやサミットで、持続可能な食料システムの構築に向けた我が国の考えを発信していく予定です。
3.パネルディスカッション
食料システムの関係者・有識者の皆様と「持続可能な食料システム実現に向けて何をすべきか」を考えるパネルディスカッションを行いました。
モデレータ:大澤誠(農林水産審議官)
パネリスト(50音順):
有田芳子 氏(主婦連合会常任幹事)
石井菜穂子 氏(東京大学理事、グローバル・コモンズ・センター ダイレクター)
加藤茂治 氏(豊田通商株式会社食料・生活産業本部COO)
馬場利彦 氏(JA全中専務理事)
日比絵里子 氏(国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所長)
森島千佳 氏(味の素株式会社執行役員)
パネリストから持続可能な食料システム構築に向けたそれぞれの取組紹介やサミットに向けた期待について発言がされるとともに、今後さらに食料システムの持続可能性を高めていくための課題や各段階の役割分担について議論がされました。
4.その他
国連食料システムサミット特設サイト
https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kanren_sesaku/FAO/fss.html
添付資料
国連食料システムサミット全体対話プログラム(PDF:163KB)
地域の持続可能な食料システム構築のための地方自治体の取組事例(PDF:324KB)
我が国の目指す食料システムの姿(案)(PDF:326KB)
お問合せ先
大臣官房国際部国際機構グループ
担当者:池田、今井
代表:03-3502-8111(内線3503)
ダイヤルイン:03-3502-8497
FAX番号:03-3502-0735
https://www.maff.go.jp/j/press/kokusai/kikou/210618.html
【追記:2021/06/21 15:13】
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世界銀行
6月18日に オンライン で開催された セミナー 「What’s Cooking: 農業・食料システムのデジタル変革の現状」の録画ビデオ🎥 をウェブサイトに掲載しました。デジタル技術がいかに食料システムを向上させているかを掘り下げた同報告書の主なポイントをご紹介しています。ぜひご覧ください。
▶ http://wrld.bg/sJYN30rLokw
上記リンクから セミナー資料 もダウンロード可能です。
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