おいしい病院食はどうやって生まれるのか?
そんな記事が書かれていましたので共有致します。
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病院の食事はまずい。入院生活を経験したほとんどの人が、そう感じたことがあるのではないだろうか。
実際に多くの病院では、本来温かいはずの料理が冷めている。栄養が第一のため、見た目はあまりよくなく、おいしさも二の次になりがちだ。患者はそれを我慢して食べなければならない。
もちろん、そうならざるを得ない理由がある。
病院が提供する最も重要なサービスは治療である。飲食店や旅館のように、料理がサービスの前面に出てくることはない。施設の面で見ても、まず優先されるのは治療や検査のためのスペースであって、できたての温かい料理を提供できる構造になっていない病院も多い。
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また医療では、健康保険制度によって投入できる経費に制約を受ける。食材原価を上げ、優秀な調理師を多く雇用することで、おいしい食事を提供するといったことは難しい。品質向上のために投入した経費に見合う価格を設定できず、ほかのサービス産業のようにサービスの品質と客単価が連動することもないからだ。
さらに料理の評判が上がったからと言って、多くの患者が来てくれるわけではない。繰り返しになるが、病院にとって食事は付帯的なサービスでしかなく、その品質を上げても病院がそれによって何か得られるわけではない。
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メニューの決め方を通常の病院とは逆に
例えば、メニューの決定方法だ。一般的な病院では、何より栄養バランスが重視されることから、栄養士が献立を立案し、調理師がそれを作ることが多い。以前は国循でもこのようなやり方だった。調理師は料理を作ることには長けていても、栄養成分について詳しい人は少ないため、献立の立案に関わることはほとんどないという。
国循の栄養管理室は2005年頃に、これを改めた。料理や調理技術を一番理解している調理師がまずメニューを作る。その後、調理師が作ったメニューに対し、栄養価計算の専門家である管理栄養士が塩の量やそのほかの様々な基準をフォローし、細かい修正を加える。このような手順にしたのだ。
こうした作業の変更に対しては、現場スタッフの抵抗も大きかった。しかし、国循は「おいしい食事を提供する」という共通の目標のもと、改革に挑み、それを実現した。今では多くの患者から、食事をほめる声が届く。
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病院で勤務する調理師や栄養士たちが表舞台に立つ機会はあまりない。そうした調理師や栄養士たちにとって、患者からの声は、自分たちの仕事を見てもらい、評価されているという「誇り」につながった。そして、さらにおいしい食事を提供しようと、様々な創意工夫や改善が生まれるようになった。
さらには、病院の様々なチーム医療に栄養士が入るようになった。現場の病棟で患者に料理を提供する看護師たちにとっても、クレームが減り、業務の負担が軽くなった。
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成功例のひとつかと思いますが
栄養士の作った食事は不味い、など言われがちだったけどもやはり努力、働きかけ、創意工夫がそれを変えるのだなと思います。
毎日の食事を変えていくと言うのは大変なことだと思います。
諦めずに共通の目標を持って協力し
根気強く取り組むことで、やっと食への意識を変えることが出来、全体で取り組むことが可能なのですね。
日経ビジネスオンライン
「病院食はまずい」を覆せ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121113/239375/?P=1
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