情報 防災 籠城という施設の選択周囲が冠水した順天堂病院(佐賀県大町町

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2021/08/16 09:21:58

 ◆「孤立」ではなく
 8月下旬、九州北部は豪雨に襲われ、周囲が冠水した順天堂病院(佐賀県大町町)が「孤立」と報道されました。現地を調査した私は用意周到な「籠城」作戦だったと考えています。
 病院には当時、1階に入院患者はおらず、隣の高齢者施設の1階に入所者50人がいました。その避難は、訓練の時より時間を要したものの、ベッドに横になっていた30人を27分で2階に搬送したそうです。
 足掛け3日の「籠城」でしたが、東日本大震災を教訓に自家発電機など非常用機器は全て予備を含めて2台用意し、浸水で故障しないよう屋上に上げ、水と食料は3日分以上の備蓄があったといいます。
 避難訓練も年に6回行ったとか。福嶋博愛理事長に何をきっかけに訓練を始めたのか尋ねました。
 「昨年の西日本豪雨で、岡山県倉敷市真備町の病院が浸水して大変なことになっているのを見たのが大きい」とおっしゃいます。
 「全国で災害の少ない県は1位が佐賀、2位が岡山といわれてきた。その岡山がやられたから、次は佐賀だと思った」とのこと。
 「他人事」でなく「自分事」として即行動に移すよう指示した理事長。それを受けスタッフも訓練を繰り返し実行したそうです。
 町のハザードマップには山手に土砂災害警戒エリア、平野部には六角川の氾濫による浸水想定エリアが広範に示されており、安全なエリアは限られています。順天堂病院も浸水想定エリアのまっただ中。
 この地に移転した際、盛り土をして敷地がかさ上げされてはいても、近年の豪雨を考慮した場合、外部に避難させようとすれば途中で水に流されたり、戻った自宅が土砂災害に遭ったりする危険性が高いのです。だから「孤立」してしまったのではなく、浸水を見越し「籠城」の道を選んだというわけです。
 関西で言う〝いけず〟な研究者の私は「理事長先生、ちょっと出来過ぎ?」と思い、避難所で評判を尋ねてみました。
 みな「もう町立病院はなくなって順天堂病院だけが頼り。早く優しい理事長先生に診察をしてもらいたい」と絶賛です。近所づきあいの延長のような愛情、信頼関係を実感しました。
 的確な危機感から導かれた対応策。十二分な備えと訓練。それらを実効あるものとする関係者の心の交流。愛と協力と行動があってこそ、ピンチを乗り越えられるのだと改めて教えられました。病院に限らず、学校も地域防災も同じなのではないかと思います。
 ちなみに理事長は岡山のご出身とのことでした。(九州大助教 杉本めぐみ)
 すぎもと・めぐみ 京都府出身。京都大大学院修了。東京大地震研究所特任研究員などを経て2014年から九州大助教。専門は防災教育、災害リスクマネジメント。編著に「九州の防災 熊本地震からあなたの身の守り方を学ぶ」https://www.nishinippon.co.jp/item/n/567582/?fbclid=IwAR2uU85F_Me9LYHmh-al0fNX9lEZrRSpkWEBJnwCY_npdw-1qbhK8S2XHY4&page=2

【追記:2021/08/16 09:22】
① 病院には当時、1階に入院患者はおらず、隣の高齢者施設の1階に入所者50人がいた。
② 避難は訓練の時より時間を要したもののベッドに横になっていた30人を27分で2階に搬送した。
③ 東日本大震災を教訓に
自家発電機など非常用機器は全て予備を含めて2台用意し、浸水で故障しないよう屋上にあげ、水と食料は3日分以上の備蓄があった。
④ 避難訓練は 年に6回行っていた。また、現理事長は西日本豪雨で岡山県倉敷市真備町の病院が浸水して大変なことになっているのを経験している。
⑤ 町のハザードマップには山手に「土砂災害警戒エリア」、平野部には六角川の氾濫による「浸水想定エリア」の中に示され、安全なエリア限られていた。

【追記:2021/08/16 19:12】
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平成28年度 給食施設研修会 「給食施設に必要な災害時の食の備えについて」
~マニュアル作成と食料備蓄の具体的なすすめ方~
https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/260/kousi_siryou_1.pdf


給食施設における災害時等の食事提供に関する手引き
2021年6月24日
ページ番号:524671
・給食施設における災害時等の食事提供に関する手引き

・「病院における災害時の食事提供に関するアンケート調査」の結果

【追記:2021/08/16 19:13】
給食施設における災害時等の食事提供について

  近年、各地で大規模な地震や災害が発生しており、今後も南海トラフを震源とする大地震など甚大な被害が想定されています。給食施設では、災害時においても利用者に安全で安心な食事を提供し、適切な栄養管理が求められます。

そこで、災害時の状況下でも全ての給食施設において継続的な食事提供ができるよう、マニュアルや食料備蓄の整備、研修や訓練の実施といった災害に備えた食の体制整備を支援するため、本手引きを作成しました。

 この手引きは、施設の危機管理体制の現状を確認できるセルフチェックシートを基に、各項目のポイントを様式と併せて解説しています。本手引きを参考にそれぞれの給食施設に応じたマニュアルの作成にご活用いただき、定期的に見直しを図りながら災害に備えた平常時からの取り組みをお願いいたします。


給食施設における災害時等の食事提供に関する手引き
【表紙~P.21】給食施設における災害時等の食事提供に関する手引き(PDF形式, 653.68KB)
【P.22~39】給食施設における災害時等の食事提供に関する手引き(PDF形式, 1.64MB)
【表紙~P.22】給食施設における災害時等の食事提供に関する手引き(DOCX形式, 852.90KB)
様式集(XLSX形式, 1.90MB)
【参考文献】給食施設における災害時等の食事提供に関する手引き(DOCX形式, 53.13KB)

「病院における災害時の食事提供に関するアンケート調査」の結果概要

このたび、令和2年10月に実施した「病院における災害時の食事提供に関するアンケート調査」の結果を取りまとめましたので、公表します。ご協力いただきました施設関係者の皆さまには、深く御礼申し上げます。

調査概要
結果概要
全調査結果

https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000524671.html

このページの作成者・問合せ先
大阪市 健康局大阪市保健所管理課健康栄養グループ
住所:〒545-0051 大阪市阿倍野区旭町1丁目2番7-1000号(あべのメディックス10階)
電話:06-6647-0662
ファックス:06-6647-0803

【追記:2021/08/16 20:04】
京都府

災害時等の給食提供に関するガイドライン

http://www.pref.kyoto.jp/kentai/documents/saigaikyusyokuguideline.pdf

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