情報 総務省 地域コミュニティに関する研究会

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2022/04/16 21:20:58

こども食堂に関する記述は、「第5章 地域コミュニティの様々な主体間の連携(P39〜)」で、主に自治会・町内会とこども食堂等の活動の連携という文脈で扱われている。
一番ざっくりとした概要は、「おわりに」にまとめられている以下の項目。忙しい人は、せめてこれだけでも目を通していただければ。
○ 3点目の地域コミュニティの様々な主体間の連携を強化する視点については、防災や地域福祉分野等において自治会等や NPO を含めた地域コミュニティの様々な主体間の連携を促進するためには、市区町村において、例えば地域の居場所づくりというコンセプトで包括的に多様な主体に係る情報を把握し、マップに落として「見える化」することを前提に、こども食堂のような明確な目的を持った活動を中心として、連携のコーディネーターを活用し、資金面・非資金面の支援を行うことが期待されることを示した。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/chiiki_community/index.html?fbclid=IwAR1xjcYHg4ribbtOHB-H_RGSGDzh9ai3uWn2sfWbWX_G4JALA-rkGj5z74g

こども食堂についてのまとまった言及は、P43から始まる。
○ こども食堂については、子ども等に関する地域の課題を肌で感じた住民が主体的に発起し、子どもの貧困対策から子育て支援、さらには高齢者等の活躍の場づくりといった地域づくりに至るまで、多機能の取組に発展し、多数の住民や地場企業等が可能な範囲で応援することにより、つながりを実感できる地域づくりやこども食堂をハブとした資源の地域循環をもたらす役割を果たしているとされる。また、こども食堂における平時のつながりが、コロナ禍において、フードパントリー等で困難家庭を支援するといった動きにつながり、非常時のセーフティネットとして機能することも確認されている。(P43)
そして、地域コミュニティにおける主体間の連携を通じて地域活動の持続可能性を高めようとする大きな方向性を、大きく4象限に整理している。この整理は、地域を大きく捉える際に役立つだろう。自治会とこども食堂の連携はC型にあたる(写真添付)。(P44)
しかし実態は、地域の居場所のマップの作成・公表すら行われていない。まずは、「見える化」され、地域全体を面的に捉える視点を多くの人たちが共有するところから出発する必要がある(写真添付)。
○ その上で、どの地域で、どのような団体が、どのような活動をしているか、マップに落として「見える化」していくことは、当該活動の参加者やその予備軍に対する広報手段になるだけでなく、活動を行う各主体にとって連携等の動機付けになるとともに、市区町村にとっては、活動が行われていない「空白地域」・「空白分野」を把握し、何らかの手を打つためのきっかけになると考えられる。こうした「見える化」を進めるに当たっては、デジタル化により、各主体の情報との連携や、随時の更新を容易にするといった視点も重要である。(P46)
地域を面的に捉え、地域全体をコーディネートする計画は、総合計画等に位置付けられる必要があるが、あくまで魂のこもったものにしなければならない。
○さらに、市区町村が、先に挙げた D 型又は C 型のような形の主体間連携を地域の中に定着させ、広げていくためには、総合計画に位置づけるなりして、何らかの制度化を行うことが有用と考えられる。ただし、例えば市区町村が音頭を取って協議会を作っても、会議や行事の開催等が目的化し、真の連携に至らず、その結果、参加団体の側が受動的・指示待ちになってしまう場合もあることから、市区町村が連携のコーディネーターとして地域活動のあり方にどのような関わり方をするかについては、地域の実情に即して慎重に検討することが必要である。(P47)
自治会とこども食堂の連携についても、目指されるべきは地域全体のためのWin-Winの関係で、かつそれは可能だ。
○ 自治会等がこども食堂の運営主体である割合は 4.2%との報告があったが、直接運営するのでなくとも、連携・協力により、Win-Win の関係を築くことは可能である。こども食堂を対象としたアンケート調査において、こども食堂が実施している地域づくり活動(複数回答可)としては、「多世代交流を促す取り組み」(67.2%)、「食品ロス削減を進める取り組み」(44.7%)、「大学生等の地域の若者の参加を促す取り組み」(32.9%)の順に多かったが、「従来の地域団体活動の活性化(自治会や子ども会など)に向けた取り組み」を実施していると回答した団体が 21.5%存在している 57ことから、逆に自治会等から、例えば、日時・場所等に関する情報提供、食材等の寄付、人的資源の提供、会館等の場所の提供など、こども食堂の活動に対して何らかの連携・協力を行うことにより、自治会等の活動に子育て世代の新たな担い手が加わるといった形で活動を活性化させるきっかけにすることが考えられる。(P48)
そうしたことのために、国としての以下の財政支援を行うが、大事なことは、資源の地域循環を発生させることであり、財政支援ありきではない。
○ 総務省では、地域運営組織による地域の実情に応じたきめ細かな取組に対して市区町村が支援できるよう、これまでの高齢者等のくらしを守る経費に加え、孤独・孤立対策として、令和4年度から、登下校時の見守り、交流事業(子育て、親子、多世代)、子ども食堂、学習支援、相談の場を追加する形で地方交付税措置を拡充することとしており、市区町村において地域の実情を踏まえた取組を行うことが期待される。(P49)
○ ただし、財源面で公的な支援を得ることとした場合、元来自発的・主体的であった活動の自由度に影響を与え、また、当該支援が継続しなければ活動の継続も難しくなるといった状況も想定される。そこで、より多数の関係者の積極的な参加を促し、持続可能な活動につなげていく観点からは、市区町村の企画部門など全庁横断的な部署が、例えば、推進計画等を定めるといった非資金的援助を行ったり、地域のつながりの深化に資する試みを応援する姿勢を持ったりすることにより、自治会等のみならず、地域の事業者や郵便局 58など、サポートをする団体が増える形で好循環を生んでいくことが期待される。(P50)

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