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2013/01/12 19:59:33

eco people file:084 近畿大学生物理工学部教授の鈴木高広さんにお話をうかがいました。 芋は優れた純国産のエネルギー作物 芋が日本を救う!?
 日に日に寒さを増す今日この頃。秋の実りがおいしい時期でもある。なかでもサツマイモは、焼き芋など季節感を強く感じさせてくれる食材だが、この芋が燃料になる、芋こそが日本の基幹エネルギーになると主張する人がいる。その人物こそ、近畿大学生物理工学部の鈴木高広教授である。
「サツマイモでもジャガイモでも、ごく普通の芋が燃料になります。芋燃料は、エネルギー問題をはじめ、地球温暖化問題、過疎化の問題、雇用問題、食糧問題など、日本のあらゆるさまざまな問題を解決してくれる、純国産の燃料作物なんです」
 芋が日本を救う!? そう言われてもにわかには信じがたい。これまで作物から燃料を作るといえば、サトウキビやトウモロコシが主役だったが、そもそもなぜ芋なのだろうか。

「安価でたくさんの量を作ることができるためです。現在、さまざまな方法で自然エネルギーの開発が行われていますが、どんなにすばらしい技術でもコストが高ければ普及しません。芋は発酵液を蒸留すればガソリン代替のエタノールになりますし、乾燥させれば石炭代替のチップにもなります。とにかく燃料化が安く簡単にできます」
 鈴木教授が「安さ」を強調するのには、過去に、コストという壁にぶつかり、苦い経験をしてきたためだ。
「もともと微生物が専門だった私は、藻類や微生物を高密度培養することによって、アルコール燃料の製造やCO2を固定化する研究を行っていました。そこでわかったのは、微生物はあまりに小さく、効率が悪いということ。大量に培養するためには特殊な反応装置を必要としますが、装置やプロセスのコストを回収できる目途が立たず、燃料の事業化を断念せざるを得ませんでした。思い返せば、私の実家は兼業農家で、冬は三河湾で海苔養殖を営んでいました。一家4人が手伝っても1日で採れる海苔の量は乾燥するとせいぜい1~2kg。小さな藻類で採算性を確保する難しさは、子どものころから実感として知っていたんですね」
 どんなに環境にいい技術も経済性が成り立たなければ普及しない――。そのことを痛感した鈴木教授は、民間企業での修行を決意する。コスト競争の激しい市場において、企業がどのように研究開発の技術を実用化して製品化につなげているかを学ぶためだった。
「縁あって入社したのは化粧品会社でした。メイクアップの化粧品というのは、光を微妙にコントロールしながら、肌を美しく見せる技術なんですね。ここでは光の波長や反射率について、かなり研究しました。そして、紫外線は人間だけじゃなく、植物にとっても有害だということを知るのです。人間は紫外線を浴びると体内でメラニンを合成することはよく知られていますが、植物も同様に防御機能でリグニンという物質などが働き、光を弱めて吸収しています。そのため、わずか3~5%の太陽光しか光合成には利用されません。しかも農地作物の栽培効率はさらに低い。晴れた夏の日に地表に届く太陽光の照射エネルギーは1時間で約3.5MJ/m2あり、これは芋0.7kg分のエネルギー量に相当しますが、全国の芋の年間収穫量は2~3kg/m2。1年かけて4時間分の太陽光のエネルギーしか固定できない計算です。現在の農業が非常に効率悪く行われているかがわかりました。自分がいかに光のことを知らずに、微生物の研究をしていたかも思い知らされましたね」

屋外でのジャガイモ多層栽培実験
 さらに、藻を水の中で培養する場合、光は水面や水中で反射・吸収されてしまい、ロスが大きいということも知った。結局、森林よりも成長速度が速く、藻類や微生物より手のかからない地上の植物が、CO2固定や経済性の面でも最も有利だった。昨年春、大学に戻った鈴木教授は、これまでの常識をくつがえす、植物の栽培方法を思いつく。地表で太陽光を空間に分散する技術。化粧品で肌の表面に光を分散する技術の応用だ。「日本の農業では、作物に太陽の光を充分浴びさせるため、平地で栽培されてきました。しかし隙間だらけのうねで浴びた日光の5%しか植物が必要としないのであれば、棚をマンションのように多層に重ねて、光を分散させてやればいい。当然、下の棚には光が届きにくいので、比較的弱い光でも育つ作物で、なおかつ日本全国で栽培可能なもの。そうやって探していくと、現時点で最も優れていたのが芋だったのです」化石燃料の輸入額20兆円を農家へと還流させる
 芋が大量栽培可能で、燃料作物として適した作物であることはわかった。http://www.eco-online.org/2011/11/14/%E8%8A%8

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