令和2年(2020年)7月27日 日本学術会議
健康・生活科学委員会 家政学分科会
日本学術会議 健康・生活科学委員会家政学分科会では、2008 年(平成 20 年)7月 24 日 (第 20 期)には、「食生活の選択が生涯にわたって個々人が受ける食生活に関する教育の 帰着点でもある」ことから、「食生活の教育、情報に関しては生活科学関連研究分野及びそ の分野で養成した専門職(保育士、教諭、管理栄養士等) が深く係わるべきである」との考 えの基に、人間の一生における各ライフステージの食生活の現状と問題点、及び食生活に 関する教育の現状について分析し、より効果的な食生活の教育に関する提言「食生活の教 育」を表出した。また、2013 年(平成 25 年)5月 15 日(第 22 期)に公表した、報告「大 学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準:家政学分野」では、家政学を 学修し、各領域(食べること、被服をまとうこと、住まうこと、子どもを産み育てること、 家庭生活を営み社会の中で生きること)を深めることが、社会生活の質の向上に寄与し、 次いで各領域に関わっている資格である中・高等学校家庭科教諭免許、小学校教諭免許、 幼稚園教諭免許、保育士、栄養士、管理栄養士、栄養教諭免許、建築士などの資格教育と 家政学の繋がりについて報告した。
これらの提言を受け、小・中・高等学校の家庭科教育及び実力がある教員養成について 2017 年(平成 29 年)9月 20 日(第 23 期)に提言「生きる力の更なる充実を目指した家 庭科教育への提言―教員養成の立場から―」を表出し、2018 年(平成 30 年)12 月 14 日 (第 24 期)には提言「生きる力の更なる充実を目指した家庭科教育への提言―より効果的 な家庭科教育の実現に向けて―」として、家庭科教育の内容の提案を行った。
「健康で充実した生活を過ごす」ためには「食べること」「まとうこと」「住まうこと」 「子どもを産み育てること」「家庭生活を営み社会の中で生きること」の各領域の知識や技 術・技能が必要であり、これらの領域を支えている専門知識を持ち指導的な役割を担って いる各領域の資格士に着目し、各領域における各種資格士養成の現状を分析し、現代社会に おいてその役割を担うために必要な資格士養成について 2017 年(平成 29 年)10 月(第 24 期)から検討を行ってきている。
そこで、本提言は健康寿命の延伸のために「食べる」領域に関わっている管理栄養士の 現代社会における役割とそのために必要な教育に関する検討を行った。また、2002 年(平 成 14 年)の栄養士法の改正により、管理栄養士の資質として「ものから人へ」から「対人 専門職」に見直され、その結果、教育内容が食べ物を扱う分野(食品学・調理学など)か ら医学関連知識や臨床栄養学分野を重視した内容に変わった。この改正の実施から 20 年 経過した現在、社会のニーズに合致した管理栄養士の養成につながっているか検証を行う。
提言作成に当たっては、種々の資料及び関連識者の意見を参考とするとともに、管理栄 養士養成施設校の意見を参考にするために、127 校に教育内容に関するアンケート(付録) を 2018(平成 30)年7月に実施した。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t291-5.pdf
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