数日前のニュースですが、いろいろと考えさせられたので貼らせて頂きます。
〈全文引用〉
肥満受刑者に高カロリーかゆ強制は「人権侵害」
読売新聞 8月9日(木)20時58分配信
大阪刑務所(堺市)が男性受刑者1人の食事について、高血圧などの治療のための肥満解消を目的としながら、通常食より量が多く、高カロリーの「かゆ」にしたのは不合理で人権侵害に当たるとして、大阪弁護士会は9日、合理的な理由がない食事の変更を強制しないよう同刑務所に勧告した。
勧告書によると、同刑務所は2009年4月25日、当時50歳代だった受刑者について、医師から「低カロリー食が必要なので(量が減っても満腹感が得られる)かゆに変更するように」との指示を受け、主食の麦入り米飯をかゆに変更した。受刑者は「おいしくない」と嫌がったが、同刑務所は「減量効果が確認できた」という同年6月19日までかゆを出し続けた。
この受刑者が10年、「同意なくかゆを強制された」と人権救済を申し立て、同弁護士会が調査。同刑務所の主食は懲役作業の種類に応じ、3食で計1200~1600キロ・カロリーの3段階あり、この受刑者は最も少ない食事だったが、かゆは計1388キロ・カロリーだった。同弁護士会は「肥満は解消できず、医療効果を伴わない」と判断した。受刑者は体重が減った理由を「かゆを残すことが多かったためだろう」と説明したという。
同刑務所は「結果的にカロリーが増えてしまい、不適切だった」としている。
最終更新:8月9日(木)20時58分
〈引用元〉
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120809-00001220-yom-soci
以下、私個人の感想です。
まずは、適切な食事内容の変更ができなかったこと。
減量を目的としたはずなのに、結果的に以前より多いエネルギーでの提供になってしまったことは、栄養士の基本とも言うべき栄養価計算の不備が考えられます。
本人の意思だけでなく、内容も間違っていたのでは、申し開きもできないと思います。
次に、これが一番衝撃的でしたが、「人権侵害」の言葉です。
たとえば、咀嚼嚥下能力が低下した方に、医師やSTの指示のもときざみ食やムース食を提供した際、
「こんなものが食えるか!」と怒鳴られたことが何度もありました。
常食の危険性を説明しましたが、わかってもらえませんでした。
その方は高齢者で認知症の傾向もありましたが、
本人の意思を無視して「ゴミ屑のような」食事を提供し続けたことは、いわば虐待に等しい行為であったかもしれません。
医療的・栄養学的に「正しい」からと言って、それを押しつけてはいけないんだとつくづく感じました。
厨房や事務室にこもっているとつい忘れがちになってしまうのですが、栄養士は「ひと」を相手にする仕事なんですね。
当たり前のことかもしれませんが、痛感しました。
長々とまとまりのない文章で申し訳ありません。
でも、なんだかすごくもやもやしてしまって、ひとりでは消化できず…
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