情報化社会への栄養士の対応

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2013/11/09 12:57:27

長いです。つぶやきかもしれません。この間あったことです。

2・3週間前、新聞に「食物除去でアレルギー悪化」という情報が書いてありました。

http://mainichi.jp/select/news/20131018k0000m040166000c.html

調査で、保護者判断で乳・卵製品を除去していたアレルギー児に、アレルギーの悪化やくる病の症状が見られたというものでした。
中には魚も摂らせてない例があったようです。

私もちょうど家の新聞に載っていたので読んでいたのですが、その後、勤務先の保育所でアレルギー児の保護者から、相談を受けました。
そのお母様は、この記事を読んで、大変だ、くる病になるかもしれない、と思い保育士さんに相談したようです。

何度かアレルギーのことで面談したお母様だったので、時間を取ってもらい、保育士と共にお話しました。

その園児は3人兄弟の末っ子で、一人だけかなりきつい(と思われる)アレルギーを持っています。
まだ離乳食後期の段階なので、卵や牛乳は出していませんが、鶏肉や乳成分の入ったおやつ(ハイハインなど)は除去して代替えしています。
ミルクショックを起こしたこともあり、他の子が持っていたおもちゃを触ったら、ぶつぶつが出たり、かなり除去対象の食品が出るだろうなと思われます。

まず保育士と、お母様が何を一番不安に思っているのか、話し合いました。

・初めてのアレルギーで、何を食べさせたらよいのか分からない。(料理にもあまり自信がない)
・必要な栄養が摂れているか分からない。(アレルギー用ミルクなども飲めないから)
・新聞を読み、骨の病気になるかもしれないと急に不安になった。
・まわりに相談できる人がいない。

保育士との話の中で、お母様の不安要素はこの4つかなと思いました。

面談では、まず、新聞の情報では、どれくらいの期間、何を食べさせていなかったのかなど詳しいことが書いていないため、どんな状況でくる病になったのか分からないこと、医者ではないので絶対ならないとは言えないが、くる病はビタミンDの欠乏にもよるものなので、例えばDの多い鮭、干しシイタケを食事に多く加えたり、普段の食事で家族で食べやすい水菜などをカルシウム補給として味噌汁、和え物に出したりしてはどうか、という話をしました。
ビタミンD、カルシウムの多い食品の一覧や、レシピなどを渡し、世間話も織り交ぜてできるだけお母様の気持ちを聞くようにしました。

たくさんもらって家にあるけど使えない、というミキプルーンのグミやビタミンC粉末(溶かして飲むタイプ)も持ってきてもらいました。
グミは切ってアレルギー用のホワイトソルガムのお菓子ミックスでチンして蒸しパンにし、C粉末は菜っ葉を茹でたものに醤油と粉末で柑橘系和え物にして試食してもらいました。


試作してレシピまで作るのは暇だから?と言われそうですが、自分の相談に対して何かアクションを起こしてくれる姿勢が、お母様の不安を少しでも除くことになるのかな、と思いました。

今回こうやってできたのは、自分にちょうど時間のある時だったからですが、情報化社会のなか、自分の知識不足や技量不足に落ち込むこともあります。

牛乳は何年後かには危険因子になるのかもしれないし(笑)
白い食べ物は毒だ、とかいう極端な方もいるし、栄養士、大変だけど情報を鵜呑みにせず、相談者を否定もせず、不安な心に寄り添っていけたらなあ、と思います。

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