新生児に出生直後から毎日保湿剤を塗ると、約8カ月後のアトピー性皮膚炎の発症率が3割低下したとの研究成果を、国立成育医療研究センターがまとめ、1日発表した。
国内では未就学児の10~30%がアトピー性皮膚炎を患っているとされる。アトピー性皮膚炎になると食物アレルギーなどのほかのアレルギー性疾患にもなりやすいとされ、これらの発症予防につながる可能性がある。
チームは、アトピー性皮膚炎になった経験のある親を持つ新生児118人を、毎日1回以上、全身に保湿剤を塗るグループと、特別なスキンケアをしないグループに分け、32週後に専門医が湿疹の状態を診断した。
その結果、保湿剤を塗ったグループは、アトピー性皮膚炎の発症率が約3割低かった。乾燥で角質細胞が傷つき皮膚の保護機能が低下するのを予防できたとみられる。
血液を調べた結果、アトピー性皮膚炎になった場合は、卵アレルギーを発症しやすいことも分かった。同センター生体防御系内科部アレルギー科の大矢幸弘医長は「アトピー性皮膚炎の発症率をさらに減少させ、食物アレルギーの発症予防を実現したい」と話した。〔共同〕
:::
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎が、食物アレルギーを引き起こしている可能性があると、国立成育医療研究センターの研究チームが1日、発表した。肌を保湿するとアトピーの発症を3割減らせることも判明。大矢幸弘アレルギー科医長は「保湿でアトピーを抑えることで、食物アレルギーを防げる可能性がある」と述べた。
米医学誌に論文が掲載された。
チームによると、アトピー患者は皮膚の保護機能が低下するとともに、炎症が起きて、アレルギー物質を体内に取り込みやすい状態になっている。皮膚に食物が付くと、免疫細胞が食物中のアレルギー物質を取り込み、異物と認識するために、食物アレルギーにつながると考えられるという。
※こちらの質問は投稿から30日を経過したため、回答の受付は終了しました
8人が回答し、5人が拍手をしています。
1/1ページ